射出成形:基礎知識(射出成形方法)
- 基本的な5つの射出成形法について、イラストを交えながら分かりやすく解説していく。 射出成形 押出成形 ブロー成形 カレンダ成形 圧縮成形 射出成形 射出成形はプラスチック成形の中で最も普及している 特徴:複雑形状製品の大量生産が可能 代表的な成形品:カメラボディタグ:
- プラスチック射出成形機の型締め力が5〜20トンクラスの小型成形機が、国内外で好調に導入されるようになってきています。 これらの小型成形機を使用して、微細で精密な樹脂成形品を生産する需要が急速に伸びているためです。 また、さらに1ランク小さな成形品の成形加工は、「マイクロ成形」と呼ばれています。 マイクロ成形は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems、マイクロ電子機械システム)やマイクロ化学等の分野で使用される微細プラスチック部品を生産するために使用されます。 このような小型成形機やマイクロ成形機で使用される金型は、従来使用されている金型よりも一回り小さく、精密に工作されている必要があります。 具体的には、下記のような部分についての要素技術が重要になってきます。タグ:
- インサート成形法は、インサート(金属部品等の挿入物のこと)を金型が開いている間にキャビティに装着し、その後金型を閉じて射出成形する方法です。 真鍮製のねじやシャフトをインサート成形したハウジングや、金属端子や接点をインサート成形した電子部品などの射出成形に使用されています。 インサートは、ばらばらの個別部品として機械加工しておいたものを、手作業やロボットによってキャビティに装着する方法が最も単純な方法です。(【図1】) 大量の部品を効率的に生産するためには、金属フープにプレス順送金型であらかじめ形状加工をしておいたものを、キャビティ内に自動送りをして、連続成形する方法も考案されています。(【図2】)タグ:
- ブロー成形法は、ジュース等のペットボトル容器(ペットは、PETポリエチレンテレフタレート樹脂のこと)などの中空成形品を射出成形する方法です。 シャンプーの容器、しょうゆ等調味料の容器、洗剤容器などの生産に世界中で多用されています。 ブロー成形が可能なプラスチック材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリカーボネートなどが挙げられます。 ブロー成形は、専用のブロー成形機を使用します。また、金型は、雌型キャビティのみで、雄型のコアはありません。 その代わりに、空気を吹き込むノズルが準備されていて、パリソンと呼ばれる予備成形された風船状の成形品を膨らませて、キャビティに密着させて、形状を転写させます。 ブロー成形の場合は、一般に比較的柔らかい金属がキャビティに使用されます。アルミニウム合金、青銅などが使用されますが、特殊鋼も使用されます。 成形品の表面は、美しい光沢が求められることが多いため、キャビティ内面の磨きは十分に行わなければなりません。 また、飲料用容器のブロー成形では、多数個取りが一般的であり、ハイサイクルが要求されるために、金型の冷却・温度調節機能にも工夫が必要になります。タグ:
- 今回から特殊なプラスチック射出成形法について、紹介を行いたいと思います。 まず初回は、二色射出成形法です。 二色射出成形法は、最近では「二材質射出成形法」とか「異材質射出成形法」などと呼ばれる場合もある成形方法です。2種類の熱可塑性プラスチック材料を、それぞれ別々の射出シリンダーから金型内部に順次、射出充填して、2種類の色彩の成形品を生産することができる方法です。 高級デスクトップパソコンのキートップや、カーナビゲーションユニットの照光ボタンなどに多用されている成形技術です。 一般には、成形材料は、PS樹脂やABS樹脂などの同じ種類のプラスチックが使用される例が多いようです。成形品どうしの密着性が良好な理由からです。ABS樹脂とPOMのように異なる種類のプラスチック同士でも成形品は作れますが、密着性は必ずしも良好ではありません。(密着性が良い場合と悪い場合でそれぞれの用途はあります) さらに、熱可塑性プラスチックと熱可塑性エラストマー(ゴム状のプラスチック)の組み合わせなど最近ではユニークな組み合わせも実用化されています。(スポーツ用品など)タグ: