2005年11月に開催された「2005国際ロボット展」は、第2次産業いわゆる「もの造り」産業から第3次産業のサービス分野までを対象とした各種ロボット、ロボット応用システムとそれらの関連機器が展示されました。併せて、大学や研究機関からの参考出品も含めて過去最大規模となっています。
これらの背景は、製造業のグローバル化の進展により、国際競争力の更なる強化のための徹底したコスト削減や経営資源の合理化を、ロボット技術に求める傾向の現われといえます。
また、愛知万博での各種サービスロボットの実践的利用の実績から、産業界以外の医療、福祉、警備、災害など幅広い社会生活の場での、ロボット技術の応用展開が期待できることが示されました。
以下では「2005国際ロボット展」の展示ロボットを紹介します。
(a)ヒューマノイドロボット
ロボットのASIMOが走ることができるまで技術が進歩しました。ヒューマノイドロボットが人間と共存できるには、次の技術課題の解決が必要とされています。
- 知能化技術→認識と行動決定
- 身体機能向上化技術→運動性能のさらなる向上
- 知能と身体制御を統合する技術
下の2つの写真からは、技術進歩の度合いはわかりません。
【写真1】表情を変えるマネキン(?)ロボット
【写真2】漫画風ロボット
(b)製造支援ロボット
製造業で活躍が期待されるロボットは、大型化・高速化・高精度化など、人間の能力をはるかに超えた働きをするものが実用化されています。
【写真3】大型の高速パレタイジングロボット
【写真4】高速駆動中のLCD第8世代ガラス基板搬送ロボット
(c)自在な動きが可能なロボットとして2つ
【写真5】障害物を認識し自在に移動できるクモ型ロボット
【写真6】踊る2足走行玩具ロボット
ロボットの色々な動き(歩く、側転、前転、他)がプログラム化されているため、コントロールボックスで簡単に操作できる。
(d)多目的移動体ロボット
【写真7】空洞実験で飛行能力が検証された4-プロペラ垂直離着陸型プレーン
現在は蓄電池駆動、将来的にはハイブリッドエンジンを搭載して、無人操縦で気象観測用途などへの応用が期待されている
【写真8】フォーミュラマシンのボディー成形品
カーボンマトリックスとハニカム状アルミ構造部材を3層成形した高剛性軽量コクピット