熱処理
- 鉄鋼材料の熱処理 硬さ試験法の種類とその適用部品 鉄鋼材料の熱処理 *記載されている数値は参考値です。タグ:
- 浸炭とは、炭素含有量の少ない鋼を浸炭剤中で加熱し、炭素を鋼の表面に拡散して炭素量を増加させることいいます。炭素は鋼を焼入れするのに不可欠の元素で、その含有量が多いほど高い焼入れ硬さが得られます。 浸炭処理した鋼を焼入れすると、浸炭層は硬化して耐磨耗性が付与されますが、内部の非浸炭層は硬化しないので靭性に富んでいます。 浸炭窒化は、炭素と同時に窒素を拡散浸透させる処理で、一般には浸炭性ガスにアンモニアガスを数パーセント混合した雰囲気が用いられています。 浸炭処理が適用される鋼は、機械構造用鋼のうち、炭素量が0.1〜0.2%のものが肌焼鋼として一般に用いられています。 浸炭法は、【表1】に示すように、浸炭剤や浸炭設備によって分類できます。固体浸炭は作業環境や作業性が悪く、液体浸炭はシアン公害などの問題があり、現在はガス浸炭が主流になっております。タグ:熱処理,
- 焼き入れとは、鋼を変態点(800℃以上)に加熱して、炭素を鉄の中に十分に固溶させてから、焼き入れ油や水などの中で急速に冷却して、炭素が過飽和に固溶した状態のまま常温に移行させる操作の熱処理です。通常、炭素鋼や合金鋼などの機械構造用鋼に適用されます。 従来の焼入れは、加熱炉中で800℃以上(鋼種によって異なります)にワーク全体を加熱して、急冷する操作ですが、冷却速度が仕上がりの硬さを左右します。 これに対して表面焼入れは、ワーク表面の温度を変態点以上にまで急速に加熱し、内部温度が上昇する前に、急冷して表面だけを硬化(マルテンサイト組織にする)させる熱処理方法です。【表1】に、表面焼入れの種類とその内容を示します。
- 表面熱処理 熱処理は、古代より冶金術の中で発展してきた技術です。熱処理の中でも表面に主眼をおいた表面熱処理についてご紹介しましよう。 金型や工具の中には、通常の焼入れ焼き戻し処理では所望の硬度に達しないものがあります。したがって、これらの寿命は短命となります。これを解決する手段として表面熱処理を施します。 表面熱処理のあらまし 表面熱処理とは、JISでは「金属製品の表面に、所要の性質を付与する目的で行う熱処理」とされていますが、【表1】に示しますように、表面焼入れと熱拡散処理に分類できます。いずれも加熱によって表面処理を行うもので、処理物の表面では原子の拡散現象が必ず生じています。 表面焼入れは、表面の必要な箇所だけを加熱するもので、処理層内では原子の拡散現象は生じているが、化学成分は変化しません。 熱拡散処理は全体を加熱しますが、表面から異種原子が侵入して、内部に向かって拡散します。