シャーレンチ
ビル建設など鉄骨構造の組み付けでシャーボルトの締め付けに使用する工具です。
ダブルスイッチタイプ(かち上げタイプ)
グリップ回転タイプ
特長
- ビル建設、橋梁など鉄骨構造の組み付けに使用されるトルシア形高力ボルト(シャーボルト)の締め付けに使用されます。
- シャーボルトは一定のトルクがかかるとチップがねじ切れ、締め付け完了となるのでトルク値のばらつきが小さい構造になっています。トルク測定機を使った検査も不要です。
- 締め付けが完了しているかどうかはボルトを見ればすぐに分かります。チップが切れていればOKです。
ボルトの締め忘れを確実に防ぐことができます。 - シャーレンチはゆっくりとした回転でシャーボルトに力を加えます。一般の電動工具のような高速回転とは全く違い作業中の音も大変静かで、周囲の環境にも大変優しい工具です。
トルシア形高力ボルト専用の締め付けレンチです。
シャーボルトの締め付け方
ボルトのノッチ部が締め付けにより破断することで、適正な軸力が得られるように設計された軸力保証高力ボルトを「シャーボルト」といいます。締め付けトルク値のばらつきが小さいため、施工管理が容易という特長があります。
かち上げ作業
鉄骨にボルト締めする際、ナットは鉄骨の外側にくるようにします。図のようにナットを真下から締め付ける作業を「かち上げ作業」といい、ダブルスイッチタイプ(カチアゲタイプ)のシャーレンチには、作業がしやすいようスイッチが2つ付いています。
通常のボルト締め作業
かち上げ作業
※ ナットを真下から締め付ける作業です
ここポイント! |
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・使用するボルトのサイズを確認してください。 ・締め付けトルク(N・m)を確認してください。 |
ナットランナ
建築現場などで構造物の強度を確保するために、高い精度でボルト・ナットを締め付ける工具です。
ストレートタイプ
ピストルタイプ
特長
- 橋梁や高層ビルなどの建築における、「鉄骨部材の組み付け」のための高力ボルト締め付けに使われています。特に構造物の強度を確保するために、「ボルトの締め付け精度」や「締め付けの信頼性」が必要で、その度にナットランナは不可欠な工具です。
- ナットランナは締め付け条件を設定(キャリブレーション=校正)できるため、ばらつきが少なく高い締め付け精度が得られます。
- ナットランナは油圧トルクレンチとは違い、作業開始からナットまたはボルトの締め付けが完了するまで、止まることなく作業を行うので、短時間でボルト締め作業を完了させることができます。
クレーンや建設機械の組み立て、鉄塔のボルト締結などに使用されます。
締め付けの種類
ナットランナでの締め付けには、「トルク法」と「回転角法」の2通りがあります。
<トルク法>
ナットを締め付けるトルクを設定して、締め付けを行う方法です。
精度を上げた締め付けを行うためには、現場でのキャリブレーション(0点調整)が不可欠になります。
<回転角法(ターンロック)>
予備締め(ボルト、ナット、挟まれ母材間で遊びのない状態)後、ナットを一定角回転させる方法です。
トルク法より、軸力を一定にすることができます。
※軸力:ナットとボルトの間で押さえ付けている力です。
ここポイント! |
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・使用するボルト・ナットを確認してください。 ・必要なトルク範囲(N・m)を確認してください。 |
ココミテvol.2より参考