ウレタンスプリングの使い方は【図1】に示すように、簡易金型のパンチに装着して、ストリッパ代わりに使用するものが比較的多い使い方です。
【図2】は、ストリッパ用のスプリングとして使用する形です。
【図3】は、絞り加工や曲げ加工のダイクッションとしての使い方です。以上の形に使用するウレタンは、主に丸形状の長い材料から切断して使用します。
ウレタンは大きく分けると2タイプに分類できます。一つは一般的なゴムのような状態をしているもの(一般的ウレタン)、もう一つはポーラスタイプと呼ばれるものです。ポーラスタイプはスポンジ状の形をしています。
一般的ウレタンは、圧縮され変形すると、内部摩擦によって熱が発生します。熱が内部に蓄積されると圧力特性が変化し、初期設定圧力より発生圧力は低下します。この点がウレタン使用上の注意点です。発熱は圧縮量(たわみ)と加圧スピードに比例します。一般ウレタンの場合であれば、たわみはウレタンスプリングの自由長の20%が限界です。このときのプレス機械のspmは100spm位が限度です。spmを上げていくと、ウレタンのたわみ量は小さくしていかなければなりません。例えば200spmではたわみ量は14%程度です。
ポーラスタイプでは、圧縮されるとウレタン内部の気泡が変形して、たわみます。ウレタン内部の材料変形が小さいため一般的ウレタンよりも発熱が少なく、したがって蓄熱も小さくなるため、たわみ量を大きくすることができます。100spmでのたわみ量は35%程度まで大きくできます。しかし、発生圧力は一般的ウレタンと比べると小さいです。たわみを多く必要とするときに使用します。
ウレタンスプリングは規定内で使用していても、劣化してひび割れるような形に砕けていきます。早めの交換を心掛けることが必要です。