金型を表すとき、下型は上から見た状態で表現します。製図法での平面図となります。上型は下型から外して、反転した状態で表現することが多いです。製図法での下面図となります。この上型の表現の仕方がいくつかあります。
【図1】は上型を前後に反転した状態の表現です。図は2面基準で表しています。X軸方向の寸法は変化しませんが、Y方向の寸法は前後が反転した状態となります。この状態は順送り加工用の金型であれば、材料の加工の推移と合っていますのでわかりやすい状態といえます。
【図2】は左右に上型を反転した状態の表現です。Y方向の寸法は変化しませんが、X軸方向の寸法が左右対称になっています。順送り金型では上型と下型の関係がわかりにくい状態といえます。
【図1】【図2】の表し方は、金型を開いた状態で表現していますから、現物の金型と同じ状態となり、金型の内容を理解しやすい形と言えます。しかし、プレートを加工するときには平面図状態と下面図状態の違いがあり、プレート加工には注意が必要なことがあります。このような点に着目した表し方が【図3】です。プレート加工を容易にするを優先に考えた表し方です。金型の構造を理解するには、上型の表現がわかりにくくなっています。
このように上型の表し方の違いで、上型のプレート表現が変わります。プレート図だけが加工現場に流れたとき、この違いに気づかず加工されると使えないプレートができあがることがあります。上型の表し方は統一して、プレート加工で誤りが発生しないようにします。