順送り金型では、【図1】に示すような(a)丸パンチグループ、(b)パイロットパンチグループ及び(c)ブロックパンチグループに分けられるパンチが使われています。
抜き落とし順送り金型の構造は、固定ストリッパ構造が多く使われています。今、例として示している金型も固定ストリッパ構造を前提としています。
固定ストリッパ構造では、パンチの位置や垂直はパンチプレートで作られます。そのためにはパンチは、ぐらぐらしないように軽い圧入でパンチを取り付けます。また、パンチは抜け止めも必要です。【図1】では、つばとねじによる抜け止めを紹介しています。その他に、キーによる抜け止め方法もあります。
【図2】(d)は、丸パンチやパイロットパンチのシャンク部(植込部分)です。パンチの標準部品では、埋め込み部分は、はめあいのm5になっています。m5以下の部分は少し細くして、パンチの組立が楽なようにします。パイロットパンチについても同じです。
パンチは強度を考えて(aのイ)に示すような段付きパンチにするのが一般的です。製品の品質上の関係から(aのロ)に示すようにパンチを近接して配置する必要があるようなとき、細くなりますが段のないストレートパンチを使うこともあります。SPC材の加工を考えたとき、ストレートパンチにできる長さの限界目安は径の10倍位です。段付きパンチに比べ加工時の振動やたわみの影響を受けやすいので、寿命は短くなります。
パンチどうしが接近すると【図2】(e)に示すように、つば部が干渉することがあります。このようなときにはつば部を削り、干渉を避けます。
ワイヤーカットでパンチを作ることが多くなりましたが、このようなパンチではつば止めは作りにくいので、【図】に示すようなねじ加工をしておき、ボルトで固定する方法が多く使われています。ねじの数はブロックパンチの大きさを考慮して、数を決めます。ねじの大きさはM3は極力避け、できればM5以上のサイズがいいです。