日本のモノづくり現場が高付加価値化への傾向を強める関係で、振動問題の重要性が大きくなっています。質量を持つ装置の運動制御においては、高速化と精密化は相反する物理現象となるため高度な制御技術と免振技術を活用することが望まれます。以降では自動化の振動問題と対策について解説します。
1)振動と生産現場の問題
生産現場では、品質とコストと振動問題は直接的、間接的に深い関係があります。
例:
- (1)
- 振動低減を進めないと精密位置決めや印刷品質が安定しない。
- (2)
- 装置の生産タクトを早めたいが振動が大きくなる。
- (3)
- 昼と夜の振動レベルの違いで不良率が違ってくる。
- (4)
- 外の道路をトラックが通過した振動伝播でレジスト印刷ムラが生じる。
したがって、高付加価値生産技術を採用する自動化設備には、設計の初期時点で好ましい振動対策を盛り込む必要があります。
出来てしまった装置や工場に対して後から振動対策を行うことは、多くの場合、苦労の割りには効果が得られません。「振動対策ははじめから正しい処置」が原則です。
2)防振マウントについて
- 部品挿入装置や圧乳装置などのような振動を発生する機械装置を防振支持する場合や、外部からの振動の影響を小さくするための防振支持に防振マウント(【写真1】)が採用されます。
- 【写真2】は防振マウントの周波数に応じた振動減衰特性を評価している状況です。ミスミの防振マウントの採用で効果的な振動対策が可能です。