電源の種類
パソコン用電源には、出力やコントロールの方法などの違いにより、大きく分けて2種類の電源が存在します。
メインボードやシャーシがどちらに対応しているかをご確認のうえ、電源をご選択ください。
ATX電源
電源スイッチはモーメンタリスイッチ(押してON、離してOFF)を使用し、そのON/OFFはメインボードからコントロールします。
また、ATX電源にはATX2.01規格をもとにMicroATXなどの小型のシャーシに対応するように規格化された電源としてSFX電源があります。
電源の動作そのものはATX電源と同等ですが−5Vがオプションとなっています。
PS/2電源(AT電源)
一般には外部からスイッチによってAC電源のON/OFFをコントロールすることができます。電源スイッチにはオルタネイトスイッチ(押してON、押してOFF)を使用します。
入力電圧
パソコンは世界中で共通に使用されるため、電源のAC入力は85〜265V程度の範囲に設定されています。しかし、この入力範囲内であればすべての入力ができるというものではありません。使用できる入力範囲規定には次の3つの種類があります。
スイッチ切替方式
電源本体にある切替スイッチ(通常は115V/230V)で2つの入力電圧範囲を選択します。
自動切替方式
自動切替方式の場合には、入力範囲が切替スイッチ方式と同様に115V側で85〜130V、230V側で180〜265V程度の入力電圧に対応することができます。
ユニバーサル入力方式
ユニバーサル入力方式は、前述の2方式と内容が異なります。この方式では、例えば85〜265Vのすべての入力に対して有効に機能をします。当然切替スイッチもありません。
出力
出力の範囲を知ることは、電源を選択するうえで大変重要なポイントです。ミスミのカタログには、下記のように出力に対して2つの記載があります。この内容を理解し電源を選択する必要があります。
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最大負荷電流(MAX Load)
最大負荷電流は、電源がどれだけの出力を出すことができるかを表します。これは各出力電圧に対する電流値で記載されています。さらに回路的に複数の出力が影響しあっているような場合には、例えば仕様表に「+5Vと+12Vの合計容量100W以下」のように記載されています。
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最小負荷電流(MIN Load)
最小負荷電流は、その電源を安定した状態にするために最低限消費しなければならない電流値のことで、記載値以下の場合には出力安定化のためのフィードバック回路が正常に働かず、出力が不安定になったり、異常電圧を出力することがあります。
ノンストップ(UPS)電源とは
ノンストップ(UPS)電源とは、電源ユニット自身にUPS機能を持ち、専用バッテリと組み合わせることで、UPS機能を実現する電源ユニットです。
ノンストップ(UPS)電源のメリット
無瞬断切替の原理
UPS方式ではAC入力が停止してからUPSのバックアップが開始されるまで、PC側に電源の供給されない瞬断が存在します。しかしノンストップ電源ではツインコンバータの採用でこの瞬断がありません。
ツインコンバータ用トランスには常にAC入力とバッテリの両方から圧力がかかっており、AC入力がSTOPするとバッテリから給水(給電)されるため瞬断が発生しません。