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製造現場のためのアクチュエータ選定情報

リニアモータの特長・構造

「難しそう」「高そう」というイメージのリニアモータ
仕組みを知れば、それはシンプルで合理的な駆動装置です。

リニアモータの原理

「回転」を、そのまま「直進」へ。
最もシンプルな動きのカタチ。

「リニアモータ」の原理は非常にシンプルです。
一言で言えば、「普通の回転モータを切り開いて、平らに引き伸ばしたもの」です。
一般的なモータは、軸を中心に磁石とコイルが回転運動を生み出します。
これを直線状(リニア)に展開したのがリニアモータです。
 
従来の「ボールねじ」のように回転を直進に変換する機構(ギアやねじ)が一切ないため、ロスがなく、ダイレクトな推力により高速移動を可能にします。

リニアモータの原理

従来アクチュエータとの比較

【比較1】駆動モータによる比較

搭載されるモータの種類と各種パフォーマンスを比較します。

比較項目 ステッピングモータ サーボモータ リニアモータ
トルク △
トルク小で軽量物搬送向け
○
重量物可、ただし速度に制限有
◎
重量物でも高速
制御方式 △
開ループ制御
○
閉ループ制御 (モータエンコーダFB)
◎
閉ループ制御 (リニアスケールFB)
制御信頼性 △
脱調リスク有
○
最終端の位置は不明確
◎
最終端の位置を監視
導入コスト ◎
最も安価
○
ステッピングモータよりは高価
△
以前よりは安価
推奨用途 簡易的な移動
軽量搬送・低速搬送
信頼性重視
中速・高精度搬送、Z軸
信頼性重視・タクト重視
高速・高精度搬送、マルチスライダ

Point

コスト重視なら:依然として「ステッピングモータ」に分があります。
性能・信頼性重視なら:従来は「サーボモータ」が標準でしたが、現在はリニアも導入コストが年々下がっており、
「リニアモータ」も選択しやすくなってきています。

【比較2】メカニズムによる比較

直動機構としての物理的な特性を比較します。

比較項目 ボールねじ方式 ベルト方式 リニアモータ方式
位置決め精度 ◎
高い
○
伸び影響有
◎
フルクローズド
長距離搬送 △
危険速度の制限
◎
得意
◎
制限なし
メンテナンス △
ボールねじの摩耗
○
張力調整
◎
駆動部は非接触
発塵 ×
ボールねじとガイドから発塵
×
ベルトとガイドから発塵
×
ガイドから発塵

Point

「長ストローク」 「重量物でも高速・高精度にしたい」 「メンテナンスの手間を減らしたい」
というニーズに対して、リニアモータは構造的な優位性を持っています。

\もっと詳しく知りたい方は以下の資料をダウンロード/

ミスミのリニアモータアクチュエータ解剖図

シンプル構造
リニアモータアクチュエータの解剖図

中身を知れば意外とシンプル。主要部品はたった3つです。

  • リニアモータ部

    1.リニアモータ部

    可動部と固定部からなり、非接触で推力を発生させます。接触しないため摩耗せず、メンテナンスフリーを実現します。

  • リニアガイド部

    2.リニアガイド部

    搬送負荷を支え、スムーズな直進運動をガイドします。唯一の接触部品ですが、高剛性なガイドで長寿命です。

  • リニアスケール部

    3.リニアスケール部

    位置を「直読み」するセンサです。回転数からの推定ではなく、スライダの実位置を見るフルクローズド制御で精度を保証します。

全体構造

ボールねじなし、ギアなし、ベアリング無し、のシンプル構造

よくあるリニアモータの懸念

「高い?難しい?危ない?」
リニアモータに関する不安と、その実態。

  • Q1:リニアほど高精度なアクチュエータが必要ですか?

    A:ミスミが目指したのはFA用途に「ちょうどいい」性能です。

    リニアモータと聞くとの超高精度を想像されるかもしれませんが、
    本製品は一般的なFA装置(搬送や位置決め)で使いやすいスペックに最適化しています。
    過剰な精度を追求しないことで、扱いやすさと導入しやすいコストバランスを実現しました。

  • Q2:価格が高いので、装置コストが合わないのでは?

    A:シンプル構造と少部品化で「ちょうどいい」価格を実現しました。

    本製品は部品点数を極限まで減らしたシンプルな構造を採用しています。
    これにより製造コストを抑え、FA用途に適したちょうどいい導入しやすい価格を実現しました。
    装置コストはそのままで、タクト短縮や高精度な搬送を実現できます。

  • Q3:制御パラメータの調整(ゲイン調整)が難しそう…

    A:ミスミドライバならオートチューニングで簡単に立ち上げ可能です。

    リニアモータ特有の難しい調整は不要です。専用に開発されたドライバを使用すれば、
    電源を入れてオートチューニングを実行するだけで、最適な制御パラメータを自動的に算出・設定します。
    従来の回転型サーボモータと同じ感覚で、手間なくスムーズに立ち上げ作業が完了します。

  • Q4:Z軸使いはできますか?また無通電時はどうなりますか?

    A:Z軸での使用は非推奨です。停電時はダイナミックブレーキが働きます。

    本製品は無通電時に推力を保持できない構造のため、重力で落下する垂直(Z軸)でのご使用は
    推奨しておりません。水平設置でご使用ください。なお、稼働中に停電などで電源が遮断された場合は、
    ダイナミックブレーキが即座に効いて、安全に緊急停止する仕組みを備えています。

  • Q5:磁気による周辺機器やワークへの影響が心配…

    A:磁気範囲は1〜2cm程度。一般的なFA環境なら影響はありません。

    強力な磁石を使用していますが、本体カバーなどによって外部への磁気漏れを抑える設計となっています。
    磁力が影響する範囲は本体表面からわずか1〜2cm程度に留まるため、一般的な工場環境や
    一般的なワークの搬送において、磁気トラブルを過度に心配する必要はありません。

リニアモータは、もう「特別な技術」ではありません。

御社の装置設計に「リニア」という新しい選択肢を加えてみませんか?
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