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スタンレー電気株式会社 浜松工場

間接材管理にも、JIT(ジャストインタイム)の視点を。
約2年間の運用で、手袋のコストを約20%低減。

企業プロフィール

スタンレー電気株式会社
・社名:
スタンレー電気株式会社
・創業:
1920年
・業種:
自動車部品
・事業内容:
自動車機器事業、コンポーネンツ事業、電子応用製品事業
・従業員数:
18,230名(連結)/4,021名(単体)※2026年3月31日現在
・会社HP:

自動車用ランプを中心に、「光」に関わるさまざまな製品を手がけるスタンレー電気株式会社。浜松製作所では、自動車照明機器製品の開発・製造を担っており、今回取材した生産現場では、ランプを構成する部品の製造からランプ完成品の組み立てまでを行っている。
 
同社では、独自の生産革新活動「SNAP」を通じて、生産現場のムダを見直し、効率化を進めてきた。一方、手袋などの間接材管理には、在庫確認や注文など人手を要する業務が残っていた。
 
この見直しに向けて導入したのが、ミスミの間接材トータルコストダウンサービス「MISUMI floow(フロー)」だ。SNAPの考え方と、自販機を活用したMISUMI floowの仕組みには、どのような共通点があったのか。導入によって現場はどう変わり、今後の活用に向けてどのような要望が生まれているのか。導入と運用に携わったスタンレー電気株式会社生産本部二輪生産統括部 浜松工場 SNAP管理課の中田さま、部品製造課の河合さま、生産課の石田さまに話を伺った。

スタンレー電気浜松製作所

<導入前の課題>

使用量が読めない。人手に頼っていた手袋管理

手袋管理の対象となったのは、ランプを構成する部品を製造する部品製造課と、それらを組み立てる生産課の2部署。部品製造課には約80名、生産課には約120名が所属している。約200名が働く2つの生産現場で使われる手袋を、どのように管理するかが課題となっていた。

中田さま:

MISUMI floowの導入前は、部署ごとに担当者がいて、それぞれ自分たちで使う手袋を管理・注文していました。
 
そのため、どの部署が、どの手袋を、どれくらい使い、いくらかかっているのか、部署をまたいで把握しにくい状態でした。使用状況を分析したり、購入をまとめてコストを下げたりしようとしても、検討を進めにくいという課題がありました。

河合さま:

私は部品製造課で、手袋の在庫確認から見積もり、注文、受け入れ、保管、検収までを担当していました。保管している手袋を製造ラインへ出庫するのも私の役割で、製造業務と並行して、一連の管理を行っていました。
 
在庫は、手袋の保管場所に目印となるラインを引き、「ここより少なくなったら注文する」という発注点を決めて管理していました。残量を目で確認しながら、今後どれくらい必要になるかを考えて注文していたのです。在庫確認や見積依頼、注文などには、毎日20分ほどかかっていました。
 
難しかったのは、手袋の使用量が一定ではないことです。通常勤務から二交代制になると、稼働時間が8時間から16時間になり、使用量も増えます。扱う製品によっては、有機溶剤などに触れるたびに手袋を交換する必要があり、製造ラインによっても消費量が異なりました。人が入れ替われば、必要になるサイズ別の数量も変わります。
 
そのため、休む予定があるときは、欠品しないよう事前に在庫を確認し、普段より早めに多く注文していました。ただ、どれだけ用意しておけばよいかの判断は簡単ではありません。多めに注文すれば、今度は余剰在庫が増えて置き場所に困ります。消費ペースの読み違いや注文のタイミングによって欠品したこともありました。
 
さらに、手袋管理には決まった代替担当者がいませんでした。子どもの体調不良などで急に休むことになれば、その都度、上司や他部署の方に対応をお願いするしかありません。部署によって使用する手袋も異なるため、代わる方も手探りで対応することになります。自分が急に休むことになったらどうしようという不安はつねにありました。

<導入の決め手>

SNAPと重なった、MISUMI floowの仕組み

こうした課題を見直すため、浜松工場では在庫管理・注文にかかる工数の削減や原価低減を見込み、2024年9月にMISUMI floowを導入した。従来使用していた他社製の手袋から切り替えるため、複数の手袋を実際の現場で比較し、自販機の利用者や運用方法も検討した。

中田さま:

検討のきっかけは、中国拠点から赴任した前任工場長の提案でした。中国で同様の仕組みを知っており、浜松工場でも活用できるのではないかという話から始まりました。説明を聞いたときは、まず自社で持つ在庫を減らせると考えました。
 
当社では、「SNAP」という生産革新活動に長年取り組んでいます。必要なものを必要なときに必要な数量だけ供給し、現場にあるさまざまなムダを減らしていく考え方です。
 
ただ、改善の目はどうしても製品を構成する材料や生産工程に向きやすく、手袋などの間接材までは十分に届いていませんでした。MISUMI floowなら、適正在庫として必要な分だけ工場内で取り出せます。間接材でも余分な在庫を持たずに済むため、SNAPが目指す方向ともよく合っていると感じました。
 
導入にあたって検討が必要だったのは、社内承認のプロセスと効果の示し方です。どの業務をどこまで減らせるのか、その効果をどう算出するのかを整理しながら、承認を進めました。
 
コスト面でも、それまで使っていた手袋と比較しました。ミスミの商品へ切り替えることで購入価格を抑えられ、さらに余分な在庫を持つ必要もなくなります。業務工数も含め、工場全体でどれだけ経費を削減できるかを見ながら導入を進めました。

石田さま:

当時、私は現在のSNAP管理課に統合される前の生産管理課に所属し、MISUMI floowの導入に関わっていました。その後、生産課に異動し、現在は実際に自販機を使う側として運用にも携わっています。
 
運用方法を検討するなかで気になっていたのは、自販機から正しく取り出せるのか、必要以上に取り出されてしまわないかという点でした。そこで、自販機を操作できる人を、各部署の現場リーダーなど数名に限定しました。誰でも自由に操作するのではなく、決められた担当者が管理する運用にしたのです。

MISUMI floow自販機

<導入効果・社内の反応>

在庫管理・注文から供給、事務処理まで。手袋管理の流れを効率化

MISUMI floowの導入後、各部署で個別に行っていた検収・伝票処理は、代表部署が1ヶ月分を月末にまとめて処理する運用へ変わった。必要な分だけ取り出すことで、自社で抱える余分な在庫も抑えられ、保管スペースの有効活用にもつながっている。現場側では、手袋を供給する体制にも変化が生まれた。

河合さま:

一番大きいのは、見積もりを依頼してから納品を受けるまでに行っていた一連の業務が、すべてなくなったことです。以前は、手袋を切らさないように、いつ、どれだけ注文するかを考え続けなければなりませんでした。今はそうした心配がなくなり、精神的にも楽になりました。

石田さま:

現在、自販機を操作できるのは、生産課では3名、部品製造課では2名です。生産課では1日2回、1交代・2交代それぞれの勤務に合わせて、必要な手袋を個人別に準備して渡しています。
 
導入前は、出庫担当者が休みだと、現場への受け渡しが滞ることもありました。今は操作できる人が複数いるので、その日の勤務状況に応じて業務を分担できます。
 
現場への供給も早くなりました。以前は、手袋を依頼してから実際に手元へ届くまでに時間がかかり、「手袋がなくなった」という声が出ることもありました。今は事務所内の自販機から必要なときにすぐ取り出せるため、欠品への不安もなくなりました。

中田さま:

コスト面では、手袋の購入コストを約20%低減できました。以前は、欠品を避けるために余裕を持って在庫を確保することもあり、注文するタイミングや数量によって月ごとの購入額にばらつきがありました。現在は余分な在庫を持つ必要がなくなり、支出も安定してきています。

スタンレー電気株式会社 生産本部二輪生産統括部 浜松工場 SNAP管理課 石川 ちひろ さま

スタンレー電気株式会社 生産本部二輪生産統括部 浜松工場 SNAP管理課 石川 ちひろ さま

<今後の展望>

手袋で見えた効果を、次の改善の手がかりに

浜松工場でMISUMI floowを導入してから、約2年が経過した。導入から約1ヵ月後の2024年10月には、岡崎工場でも運用が始まっている。

石田さま:

自販機は工場内でも目につくので、現場から「これも入れられますか」と聞かれることが増えました。定期的に購入しているものだけでなく、使用頻度は高くなくても、必要になったときにすぐ取り出せると助かるものもあります。

河合さま:

自販機に入っていない商品については、今も見積もりを依頼する業務が残っています。手袋と同じように、ほかの間接材でもこうした手間を減らしていけると助かります。
 
また、生産状況が変わって手袋の使用量が増えたときに、自販機内の棚割りをもっと簡単に変更できるといいですね。
 
新商品やサンプルを自販機に入れてもらい、実際に試せるようになったらうれしいです。「このような商品もあるのか」と知り、現場で使えるかを検討するきっかけになると思います。

中田さま:

手袋だけで終わらせず、ほかの間接材にも活用を広げたいという話は、導入当初からしていました。
 
浜松工場で現在購入しているものだけでなく、岡崎工場など他拠点で使われている品目も踏まえて、「この商品も自販機で管理できます」と提案してもらえれば、次の検討につなげやすいと思います。
 
今後も間接材管理に残る業務を見直しながら、工場全体の最適化をさらに進め、生産性の向上と競争力の強化につなげていきたいです。

<インタビュー協力>

スタンレー電気株式会社
生産本部二輪生産統括部 浜松工場
SNAP管理課 係長
中田 浩二 さま

スタンレー電気株式会社
生産本部二輪生産統括部 浜松工場
SNAP管理課
石川 ちひろ さま

スタンレー電気株式会社
生産本部二輪生産統括部 浜松工場
部品製造課
河合 愛花 さま

スタンレー電気株式会社
生産本部二輪生産統括部 浜松工場
生産課
石田 歩依 さま

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