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河村電器産業株式会社 つくば工場

「残りを気にして使う」から、「必要なら交換する」へ。
安全・品質を支える手袋管理を、仕組みから見直す。

企業プロフィール

河村電器産業株式会社
・社名:
河村電器産業株式会社
・創業:
1919年
・業種:
電気機械器具
・事業内容:
受配電設備、屋内外配線器具の製造・販売
・従業員数:
1,923名(単体)/3,415名(連結) ※2026年3月31日現在
・会社HP:

受配電設備をはじめ、電気・情報通信インフラを支える製品を手がけてきた河村電器産業株式会社。つくば工場は、グループで唯一「情報通信ラック」を製造する拠点で、分電盤や宅配ロッカーなども生産している。
 
同工場の製造現場で日常的に使われている間接材の一つが手袋だ。安全や品質に関わる一方、その在庫管理には課題があった。こうした運用を見直すために導入されたのが、ミスミの間接材トータルコストダウンサービス「MISUMI floow(フロー)」だった。
 
今回は、同工場の組立課 課長の藤井さま、板金2課 課長の根本さま、塗装課 ライン長の矢口さまに、導入前の課題や導入の経緯、現場に生まれた変化、今後の活用について話を伺った。

河村電器産業株式会社 つくば工場

<導入前の課題>

ルールがあっても防げなかった欠品。人の判断に頼る運用の難しさ

つくば工場では、板金、溶接、塗装、組み立てなど、さまざまな工程で手袋を使用している。「MISUMI floow」の導入前は、各課がそれぞれ在庫を持ち、必要に応じて注文していた。

藤井さま:

板金では鋼板を扱うため、切創を防ぐ耐切創手袋が必須です。溶接でも、スパッターと呼ばれる火の粉によるやけどを防ぐために手袋が欠かせません。
 
組み立てでは、手袋は製品品質を守る役割も担っています。素手で触ると手垢がつき、過去にはサビにつながってしまったこともあります。

矢口さま:

塗装でも、なるべくきれいな手袋で作業しています。夏場は汗が染みて、指紋をつけてはいけない部材に跡が残ることがあります。補修時に素手で触ると、手の油分が製品表面についてしまいます。
 
手袋が汚れて色が変わってきたら交換します。作業にもよりますが、1~2日に1回ほどです。
 
「MISUMI floow」の導入前は、新しい手袋が必要になった人が在庫置場へ取りに行く運用でした。注文する目安は決まっていましたが、実際の判断には人によってばらつきがあり、在庫置場へ取りに行って、初めて在庫がないと気づく人もいました。
 
塗装課では、在庫が少なくなったという連絡を受けたライン長が注文していました。ただ、ライン長は手袋の管理だけをしているわけではありません。生産の進捗や人員、品質なども見ているため、ほかの業務が重なると注文対応が遅れてしまいます。

根本さま:

板金2課では、手袋が残り2袋ぐらいになったら、カンバンを課長に持っていくルールでした。ただ、3袋で「危ない」と思う人もいれば、1袋でも「まだ大丈夫」と考える人もいます。その結果、注文がギリギリになり、「残り1袋しかないのに、入ってくるのは明日」という状態にもなっていました。
 
注文の際は、Excelの共有ファイルに入力していました。手袋だけでなく、マスクやメガネ、エプロンなど購入するものがいろいろあるので、1件ずつではなく、1日分をまとめて入力することもあります。
 
共有ファイルを開こうとして、ほかの人が編集中だと「後でやろう」となります。カンバンを机の上に置いたまま、結局入力を忘れてしまう。そうした抜けも起きていました。

矢口さま:

在庫が少ないと分かると、「あまり替えないでおこうかな」と考えてしまいます。現場のメンバーにも、残りの手袋を気にして交換を我慢する人がいました。

根本さま:

本当に在庫がなくなったら、まずほかの部署に「余ってない?」と聞いていました。それでもなければ、商社に「1双だけでもいいから入れてもらえませんか?」とお願いし、最後の手段は、近くのホームセンターまで買いに行くことでした。

河村電器産業株式会社 つくば工場 板金2課 課長 根本 一美 さま

河村電器産業株式会社 つくば工場 板金2課 課長 根本 一美 さま

<導入の決め手>

費用面のハードルを解消。手袋の性能と価格の両立も導入を後押し

つくば工場では、「MISUMI floow」の導入以前から、手袋管理を仕組み化する方法を模索していた。

根本さま:

数年前にも、他社から同じような自動注文のシステムを提案してもらったことがあります。当時も手袋の在庫管理に課題があり、導入を検討したのですが、初期費用や月額費用がかかると聞いて、「これでは元が取れないな」と感じ、設置場所や運用方法まで詳しく検討する前に断念しました。
 
「MISUMI floow」を知ったのは、ミスミの営業担当の方が工場に説明に来てくれたのがきっかけです。今回の導入では初期費用がかからなかったので、具体的に検討を進めやすかったですね。
 
これは導入後の話ですが、当社の郡山工場で他社の在庫管理システムを見る機会がありました。そこでは、手袋を取り出したら担当者へ報告し、担当者がその内容を端末に入力する運用でした。つくば工場で同じように担当者を介して管理するのは難しいと感じました。結果的に、自分たちには「MISUMI floow」の方が合っていたと思います。
 
導入時には、それまで各課で使っていた手袋の種類や購入先も整理しました。以前は、同じ用途の手袋でも課によってメーカーや銘柄が違っていました。

藤井さま:

手袋なら何でも良いわけではありません。耐切創手袋なら、必要な耐切創レベルを落とさないことが前提です。
 
組み立てで使う手袋は、使用感に加えて、付着した汚れが製品に移りにくいことも重要です。以前、手袋の汚れが製品へ転写したことがあったので、実際の製品で使って試し、「これなら大丈夫だろう」と確認したうえで採用しました。

根本さま:

手袋の価格についても、相見積もりを取りながら最後まで調整しました。1双あたり数円の差でも、月に何百双と使うので、積み重なると大きくなります。
 
必要な性能を保ちながら、価格も抑えられたのは良かったですね。

河村電器産業株式会社 つくば工場 組立課 課長 藤井 輝樹 さま

河村電器産業株式会社 つくば工場 組立課 課長 藤井 輝樹 さま

<導入効果・社内の反応>

なくなった管理業務、高まった安全性と生まれた保管スペース

「MISUMI floow」の導入後、手袋を管理する側だけでなく、実際に使う現場にも変化が生まれている。

根本さま:

導入後は、在庫確認やカンバンの運用、Excelへの入力、注文依頼、納期確認といった作業はなくなりました。
 
以前は倉庫や各工程でそれぞれ手袋を持っていて、各課の課長が購入していたので、工場全体で一体どれくらい在庫があるのか分かりませんでした。今は在庫置場が自販機に集約されたので、工場全体としても適正な量に近づいていると思います。
 
手袋の注文作業そのものは、1日単位で見れば何秒、何分という程度です。時間だけを見れば大きな削減ではありません。それよりも、「工場の中に手袋がどれくらいあるのか」「過剰在庫になっていないか」「足りなくならないか」と考えなくてよくなったことの方が大きいですね。
 
以前は倉庫の一角を手袋が占めていましたが、今はそこに別のものを置けるようにもなりました。

矢口さま:

塗装課でも、今は手袋が少なくなる心配がないので、塗料などで少し汚れたらすぐに交換しています。以前のように残りの在庫を気にして、交換を我慢する必要がなくなったのは大きいですね。
 
手袋は作業者の安全を守るうえでも欠かせませんし、塗装では製品に汚れや指紋をつけないためにも重要です。必要なときに交換できる今の方が、安全面でも品質面でも、以前より安心して作業できると思います。

河村電器産業株式会社 つくば工場 塗装課 ライン長 矢口 幹太 さま

河村電器産業株式会社 つくば工場 塗装課 ライン長 矢口 幹太 さま

<今後の展望>

「減らす」のではなく「適正に使う」。データ活用から次の改善へ

「MISUMI floow」の導入をきっかけに、つくば工場では次の改善についても検討している。

根本さま:

今後は、ダッシュボードも活用していきたいですね。どの課で、いつ、どのくらい手袋を使っているのかが分かるので、データが蓄積されれば、手袋の使用傾向や季節による違いも見えてくると思います。
 
手袋を長く使う人もいれば、すぐに替える人もいます。安全を最優先にしながら、データを見て今の使い方が適正なのかを考えていきたいですね。

藤井さま:

組立課では、電動ドライバーに使うビットをよく購入するので、「MISUMI floow」の導入時にも自販機で管理できないか相談していました。
 
できれば今ある自販機を使って、手袋以外にも対象を広げられるといいですね。

根本さま:

品目によって価格やスロット数などの条件も違うので、それぞれに合った方法を一緒に考えてもらいながら、自販機で管理できるものを増やしていけるとうれしいです。
 
ほかの会社ではどんなものを入れているのか、どんな運用をしているのかといった事例も知りたいです。そうした事例を参考にしながら、自分たちに合った使い方を見つけていきたいと思っています。

藤井さま:

以前は、取引のある商社の方と話す中で、新商品やコストダウンにつながる製品の情報を教えてもらう機会がありました。
 
今後は「MISUMI floow」を通じても、そうした新しい商品の紹介や提案をもらえると、さらに活用の幅が広がると思います。
 
例えば熱中症対策の商品など、その時期に合ったものを自販機の画面で紹介してもらうような使い方も面白いですね。

河村電器産業株式会社 つくば工場 板金2課 課長 根本 一美 さま

河村電器産業株式会社 つくば工場 板金2課 課長 根本 一美 さま

河村電器産業株式会社 つくば工場食堂棟

インタビューを実施した河村電器産業株式会社 つくば工場食堂棟

<インタビュー協力>

河村電器産業株式会社
つくば工場 組立課 課長
藤井 輝樹 さま

河村電器産業株式会社
つくば工場 板金2課 課長
根本 一美 さま

河村電器産業株式会社
つくば工場 塗装課 ライン長
矢口 幹太 さま

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