【図1】および【図2】は鋳造一体構造の金型です。鋳造構造は大きな形状を1体で作れるので、鋼板で製作するのに比べ容易に作ることができます。
鋳物材質としては、少量生産で被加工材が薄板のときには、抜き、曲げ及び絞りのどの内容でも、ねずみ鋳鉄のFC250またはFC300あたりがよく使われます。金型部品としては、パンチ、ダイおよびパッド等の全てに使われています。
被加工材の板厚が厚くなる。生産量が増える。強度的な心配がある。などの懸念が生じたときには、球状黒鉛鋳鉄のFCD600程度のものが使われるようになります。
鋳鋼は、抜き型では切れ刃部にSC450などを肉盛り溶接して使用します。量産用の絞りや成形型では、SC450などを火炎焼き入れ(フレームハード)処理して使用します。トリム型などで鋳物(ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄)では不安を感じるときに、SC450などをそのまま使ったりします。
- ※
- 参考文献:『図解プレス金型設計法』(太田哲/著)