選定方法
選定例

リード(L)の設定
モータの最大回転数と早送り速度より次式にて計算します。
この場合、20mm以上のリードが必要となります。
ナットの選定
(1)軸方向荷重の算出
P.1897の6-2.の軸方向荷重します。
- ・定速時 : 軸方向荷重(Pb)=μWg=0.02×50×9.8≒10(N)
- ・加速時 : 加速度(α)=(Vmax/t)×10-3=6.67(m/s2)
軸方向荷重(Pa)=Wα+μWg=50×6.67-0.02×50×9.3≒343(N) - ・減速時 : 軸方向荷重(Pc)=Wα-μWg=50×6.67-0.02×50×9.8≒324(N)
(2)各運転パターンにおける1サイクル中の運転時間
デューティサイクルモデル線図より以下となります。
| 運転パターン | 加速 | 低速 | 減速 | 総使用時間 |
|---|---|---|---|---|
| 使用時間 | 0.60 | 0.84 | 0.60 | 2.04 |
(3)各運転パターンにおける軸方向荷重、回転速度、運転時間のまとめ
| 動作パターン | 加速 | 低速 | 減速 |
|---|---|---|---|
| 軸方向 | 343N | 10N | 324N |
| 回転数 | 1500min-1 | 3000min-1 | 1500min-1 |
| 使用時間率 | 29.4% | 41.2% | 29.4% |
(4)軸方向平均荷重を算出
P.1897の6-3.の計算式より算出します。
(5)平均回転数を算出
(6)所用基本動定格荷重の算出
①正味運転寿命時間(Lho)を算出
希望寿命時間より休止時間を除く正味運転寿命時間は、1サイクル4.01sにおいて、
運転時間は2.04sのため次のように計算できます。
②所用基本動定格荷重の算出
P.1897の6-1.の計算式より正味運転寿命時間を確保するために必要なボールねじの基本動定格荷重を計算します。
(7)ボールねじの仮選定
リード20、基本動定格荷重3700Nを満たすボールねじとして、BSS1520を仮選定します。
精度確認
(1)精度等級と軸方向隙間の検討
P.1893の2.の「ボールねじリード精度」の一覧表より。位置決め精度±0.1/720mmを満足するのは、
代用移動量誤差±0.040/800~1000mmである精度等級C5であることが確認できますので、BSS1520で問題ありません。
また、P.1894の3.の「ボールねじの軸方向隙間」の一覧表より、BSS1520の軸方向隙間0.005以下は、
繰返し位置決め精度±0.01mmを満足することを確認できますので、BSS1520で問題ありません。
ねじ軸の選定
(1)ねじ軸全長の選定
ねじ軸全長(L)=最大ストローク+ナット長さ+余裕量+軸端寸法(支持側、固定側)ですので、
- 最大ストローク:720mm
- ナット長さ: 62mm
- 余裕量: リード×1.5=60mm
- 軸端寸法: 72
ねじ軸全長(L)=720+62+60+72=914mm
*余裕量とはオーバーラン対策の量で通常はリードの1.5~2倍程度に設定します。
リード20×1.5×2(両端)=60
(2)許容軸方向荷重の検討
荷重作用点間距離1は820mmですので、P1895の「4.許容軸方向荷重」の計算式より許容軸方向荷重Pは、
軸方向最大荷重343Nは許容軸方向荷重3660N以内なので問題ないことが確認できました。
(3)許容回転速度の検討
支持間距離は790mmですので、P1896の「5-1.危険速度」の計算式より許容回転数Ncは、
最高回転速度3000min-1は、許容回転速度3024min-1以内なので問題ないことが確認できました。
またDmN値は、P1896の「5-2DmN値」の式より、DmN=(ねじ軸外径+A値)×最高回転速度=15.8×3000=47400≦70000
となり条件を満たすことが確認できました。
選定結果
以上余地適合するボールねじの型式は、BSS1520-914となります。
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