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短納期 ミスミのボールねじ ねじ軸長さ1mm単位指定、軸端加工済みで3日目発送

選定方法

ボールねじのリード精度

ボールねじのリード精度はJIS規格による特性項目(ep、vu、v300、v2π)で規定されます。
各特性の定義と許容値を以下に示します。一般的には、ボールねじの代表移動量誤差が必要な位置決め精度の範囲内にあることを確認して、使用するボールねじの精度等級を選定します。

ボールねじのリード精度

■表1.位置決め用(C系列)の代表移動量誤差(±ep)と
 変動(Vu)の許容値

単位:m

ねじ部有効長さ
(mm)
精度等級
C3 C5
を超え 以下 代表移動量誤差 変動 代表移動量誤差 変動
 
315
400
500
630
800
1000
1250
315
400
500
630
800
1000
1250
1600
12
13
15
16
18
21
24
29
8
10
10
12
13
15
16
18
23
25
27
30
35
40
46
54
18
20
20
23
25
27
30
35

■表2.位置決め用(C系列)の300mmに対する変動
(V300)よろめき(V2π)の規格値

単位:m

精度等級 C3 C5
項目 V300 V2π V300 V2π
規格値 8 6 18 8

■表3.搬送用(Ct系列)の300mmに対する変動
 (V300)の規格値

単位:m

精度等級 Ct7 Ct10
V300 52 210

[!]搬送用(Ct系列)の代表移動量誤差(ep)はep=2・Lu/300・V300にて算出されます。

用語 記号 意味
代表移動量誤差 ep 代表移動量から基準移動量を引いた値。
変 動  
 
V
V300
V2π
  • 代表移動量に平行に引いた2本の直線ではさんだ実移動量の最大幅で下記3項目で規定される。
  • ねじ部有効長さに対する最大幅
  • ねじ部有効長さの間にとった任意の300mmに対する最大幅
  • ねじ部有効長さの間にとった任意の1回転(2πrad)に対する最大幅
基準移動量 ls 呼び移動量(lo)に対し、温度上昇や荷重によって発生する変位分を補正した軸方向移動量
基準移動量目標値 t ねじ部有効長さに対する基準移動から呼び移動量を引いた値。
温度変化や外部荷重によるねじ軸の伸縮が考えられる場合に、変位分を補正して決めます。その値は実験又は経験により決定します。
実移動量 la 実際に測定された移動量
代表移動量 lm 実移動量の傾向を代表する直線。
実移動量を示す曲線から、最小2乗法または簡単適切な近似法により求めた直線。

ボールねじ軸方向すきま 

軸方向隙間は、一方向へ送る場合の位置決め精度の要因にはなりませんが、送り方向が反転する場合や軸方向荷重が反転する場合にバックラッシとなり位置決め精度の影響を与えます。 要求される位置決め精度に応じてボールねじの軸方向隙間を選定してください。

■表4.転造ボールねじの軸方向隙間

種類 代表Type ねじ軸径 リード 軸方向すきま(mm)
スタンダードナット
精度等級C7
BSST 8 2 0.003以下
10 4
12 4
15 5
10
20
20 5
10 0.005以下
20 0.003以下
25 5
10 0.005以下
スタンダードナット
精度等級C10
BSSZ
BSSR
8 2 0.005以下
4
10 2
4
10
12 4
10 0.10以下
14 5
15 5
10
20
20 5
10 0.15以下
20 0.10以下
25 5
10 0.20以下
25 0.12以下
28 6 0.10以下
32 10 0.20以下
32 0.15以下
コンパクトナット
精度等級C10
BSSC 8 2 0.05以下
10 2
12 4
15 5 0.10以下
10
20 5
10
25 5
ブロックナット
精度等級C10
BSBR 15 5 0.10以下
20
25
15 10
20
25

■表5.精密ボールねじの軸方向隙間

種類 代表Type ねじ軸径 リード 軸方向すきま(mm)
スタンダードナット
精度等級C3
BSX 6 1 0
(予定圧)
8 1
2
10 2
12 2
5
15 5
8 2 0.005以下
12 2
4
5
スタンダードナット
精度等級C5
BBS 10
15 5
10
20
20 5 0.005以下
10
20
25 5
10
20
スタンダードナット
精度等級C7
BSSE 8 2 0.030以下
10 2
4
12 2
5
10
15 5
10
20
20 5
10
20
25 10
20

リード精度の選定例

使用条件

  • ・ねじ軸径 Φ15 リード 20
  • ・ストローク 720mm
  • ・位置決め精度 ±0.05mm/720mm

選定内容

使用条件に適合するボールねじのリード精度を求め精度等級を選定してください。

①ねじ部長さの検討
ストローク+ナット長さ+余裕量=720+62+60+=842mm
*余裕量とはオーバーラン対策の量で通常はリードの1.5~2倍程度に設定します。
 リード20×1.5×2(両端)=60
②リード精度の検討
P.1893表1.より、ねじ部分長さ842mmに対する代表移動量誤差±epの許容値を求めます。
C3…±0.021mm/800~1000mm
C5…±0.040mm/800~1000mm
③リード精度の決定
使用条件の位置決め精度±0.05mm/720mmを満足するのは、
C5等級(±0.040/800~1000mm)のねじが適切であることがわかります。

軸方向隙間の選定例

使用条件

  • ・ねじ軸径 Φ15 リード 5
  • ・許容可能なバックラッシ量 ±0.01mm

使用条件

表5.より、ねじ軸径Φ15では軸方向隙間が0.005mm以下であるC5等級が許容可能なバックラッシ量±0.01mmを満足できることがわかります。

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