選定方法
許容回転速度
ボールねじの回転速度は必要な送り速度とボールねじのリードによって決定され、許容回転速度以下とする必要があります。
許容回転速度は、回転軸における危険速度とナット内を循環するボールの回転速度の限界であるDmN値の2点から検討します。
危険速度
ボールねじの回転速度がねじ軸のもつ固有振動と一致する危険速度の80%以下を許容回転速度としています。
許容回転速度は次式により計算することができます。
また、表2の許容回転速度線図はよりねじ軸径ごとの許容回転速度を簡易的に確認することも可能です。

許容回転速度の計算例
図2.の条件の時の許容回転速度を求めます。
使用条件
- ・ねじ軸径 Φ15、リード 5
- ・取付け方法 固定-支持
- ・荷重作用点間距離ℓ2 790mm
計算方法
取付方法は固定-支持なので、g=15.1となるため、許容回転速度(Nc)は
よって、回転速度は3024-min-1以下となるようにします。

■表1.許容軸方向荷重線図

使用条件に適合するねじ軸径の計算例
使用条件
- ・ねじ外径 20
- ・支持間距離 1500mm
- ・取付方法 固定-支持
計算内容
- ①表1.より支持間距離1500mmからの垂線とねじ軸外径Φの交点を求めます。
- ②その交点の固定-支持における許容回転速度目盛に読む許容回転速度となります。
使用条件
- ・支持間距離 2000mm
- ・最高回転速度 1000min-1
- ・取付方法 固定-固定
計算内容
- ①表2.より支持間距離2000mmからの垂線と固定-固定目盛の許容回転速度1000min-1から支持間距離に対し水平な線との交点を求める。
- ②その交点を許容範囲とする軸径25mmが最高回転速度1000min-1を満足する軸径となります。
DmN値
ナット内部の鋼球の公転速度が大きくなると、その衝撃力で循環部に損傷を与えてしまいます。その限界値がDmNです。

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