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Vol. 2 限られた人員数での見積・製造納期短縮(曙機械様)

曙機械株式会社 技術部長・製造統括 久保寺様

曙機械株式会社 技術部長・製造統括 久保寺様

課題

・限られた人員数での見積・製造納期短縮
・外部調達部品の長納期化

取り組み

1.ミスミ規格品活用
2.部品の簡素化
3.製造工程分割

効果

1.顧客への迅速な見積回答が可能に
2.納期短縮、コスト削減
3.部品長納期化のインパクトを最小限に

培われた技術力で新たな「形」を探求

本日はありがとうございます。まずは事業概要について教えていただけますでしょうか。

久保寺さま:私たちは金属加工メーカーとして、試作や金型製作から量産までの一貫生産体制を持ち、新しい素材や技術にも果敢にチャレンジしているニッチで元気な会社です。プレス分野では小型プレスから最大2,000トンの大型プレスまでを擁し、深絞りや精密冷間鍛造などの難しい加工を得意としています。また、ロボット溶接、大型品の切削加工などの加工技術や、塗装・表面処理などの加飾技術まで幅広くカバーし、お客さまのさまざまな要望に応えることを心がけています。
トラック向けの製品の売り上げが全体の六割を占めており、エンジン、足回りやバンパーといったパーツに使われています。大手トラック・自動車メーカーの製品を手掛けています。他には信号機筐体、薄型テレビ部品、リフレクター、電車や新幹線向けの部品なども製作しています。
当社では大きく4つの技術を強みとしています。

大きく4つの技術を強みとしている

大きく4つの技術を強みとしている

このような技術を持つため、お客さまからのご注文は厚みがあるものや大型の商品が中心で、他社では対応できない依頼が飛び込んでくることがよくあります。例えば、長さ数メートルにも及ぶ大型の銅製くし形放熱板を一体物で製作したい、と依頼されたこともありました。放熱板は熱伝導を高めるため、できるだけ溶接や貼り合わせをせずに一体物で製造することが望ましく、また、溶接してしまうと材質が変わってしまうことから、それまでは切削加工した部品を溶接して仕上げていた製品をプレス加工によって一体物にしたいとお客さまから相談されました。そこで当社では一枚の銅板を「切って捻る」作業を繰り返すことで難しい形状部分の加工に成功し、完成に漕ぎ着けました。最初はくし形部分を綺麗に90度に起こすことが難しかったのですが、今までできなかったものをつくりたい一心で、似た製品の設計図面を応用しながら取り組みました。

銅製放熱板

銅製放熱板

納期最優先―限られた人員で対応するため協力会社、外注業者とのタイムリーな協力体制を構築

技術部の業務内容を教えていただけますでしょうか。

久保寺さま:主に金型や治具の設計、製造工程の設計を担っています。設計担当が私を含めて2名、部品加工担当が2名、金型の組付け役が1名と5名体制で行っております。やはり限られた人員数で納期対応するためには協力会社、外注業者とのタイムリーな協力体制は不可欠です。特に金型部品の調達や治具製作は協力会社や仕入先のリソースを活用して進めています。たとえば、設計、金型・治具組み上げ、生産など重要な工程は社内優先で、部品の製作は協力会社へも依頼します。
ミスミは規格品であれば即座に見積もりが取得できますし、短納期で部品が手に入るので大変助かっていますね。複数の商社ともお付き合いがありますが、人が介在すると見積もり依頼から回答までにはどうしても時間がかかります。また、金型部品を社内で製作することも技術的には可能ですが、その場合材料手配を含めて部品完成までに2週間は見る必要があります。ミスミから部品調達することで見積もりや内製にかかる手間を削減でき、社内のリソースをより重要な仕事に集中させることができています。

お客さまとの関わりの中で、特に意識されていることは何でしょうか。

久保寺さま:2点あります。ひとつは見積もりのスピード回答、もうひとつが部品の簡素化です。
やはりお客さまも2社3社相見積もりを取ることは当たり前であり、見積もりを早くもらったところに発注しようかな、となることもあると思います。よって「スピード重視」納期を優先し、仕事を進めることを心がけています。一方、現状では材料が手に入りにくくなっていることもあり、納期が長くなってしまう場合はお客さまに代替材料や形状変更を提案したり、時には入手性の良い部品のみで製作できるよう製造工程を敢えて3工程から4工程に分割することもあります。製造工程を増やすとハンドオフが増えますので、当初はLTが長期化することを懸念する声もありましたが、納期対応のボトルネックである部品長納期化の影響を最小限に留められるため、結果的に調達を含めた工程全体のLT短縮に繋がっています。
また、部品の簡素化と納期短縮はもちろん、コスト削減にもつながります。初回量産前の試作では、設計→部品手配→プレス試し打ちを繰り返すので、受注から立ち上げまで最短1か月、長い場合には6か月要することもあります。先ほどのハイテン材の様に新しいチャレンジを行う際には、部品を簡素化することで調達納期も短縮され、試作を早回しできますので早期立ち上げにも欠かせません。

今後、チャレンジしていきたい領域を教えていただけますでしょうか。

久保寺さま:薄くても張りがあり、大幅な軽量化が見込めるハイテン材の活用を拡げていきたいですね。見積もり依頼件数はまだ2件と少ないですが、これから需要は増えてくると思います。トラックのみならず、自動車も電気自動車へシフトしていく中、軽量化を進める上で、やはりハイテン材の使用は必須になってくるのではないかと考えています。最初の案件ではハイテン材加工の特徴をつかむのに苦労しましたが、この経験を通じてハイテン加工を自社のアピールポイントのひとつとして伸ばしていきたいです。

ミスミをご利用いただく中で、便利に感じてらっしゃることやご要望はございますか?

久保寺さま:ミスミに対しての要望としましては、大きく分けて二つございます。一点目は、今後抜き加工用部品の更なる規格拡充を望んでいます。例えばパンチ、ボタンダイはもっと径の大きいもののニーズがあります。厚物、大型品はまだニッチな需要のため売れ筋商品ではないのかもしれませんが、現状自社で手配すると、材料手配、加工、熱処理、研磨して仕上がるまで10営業日はかかってしまいます。二点目は、在庫表示をより分かりやすくしてほしいですね。商品検索時、型番を絞り込んでようやく希望商品にたどり着いたときに、「在庫なし」と表示されるとがっかりします。在庫なしの状況は検索結果一覧が表示された段階で分かりやすく表示してもらえると、見積もり取得までの時間がより短く済むのではないでしょうか。
ミスミサイトの豊富な部品数がスムーズなものづくりの助けになっておりますので、今後もさらに取扱い部品数を増やし製造業の「縁の下の力持ち」として力量を発揮し続けていただくことを期待しています。

ミスミから購入したパイプを組み合わせて作成したオリジナルのクレーン

ミスミから購入したパイプを組み合わせて作成したオリジナルのクレーン

■お客さま情報

社名
曙機械株式会社 Akebono Kikai Co.,Ltd.
設立
昭和22年10月15日
資本金
4,570万円
代表者
代表取締役社長 竹永達也
従業員数
65名
主要取引銀行
湘南信用金庫、日本政策金融公庫、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、横浜銀行 (50音順)
主要取引先
株式会社キトー、小糸工業株式会社、住友理工株式会社、ソニー株式会社、株式会社武部鐵工所、
トピー工業株式会社、パナソニック株式会社 (50音順)
Webサイト
https://akebono-kikai.co.jp/

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