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製造現場のためのリニアガイド総合情報

リニアガイドの選び方 / 選定のポイント

溝形状の違い

  サーキュラーアーク溝 ゴシックアーチ溝
形状 〔図〕溝形状の違い 〔図〕溝形状の違い
レールとブロックがそれぞれ単一円弧状であり、2点で支える レールとブロックがそれぞれ2つの円弧を組み合わせた溝になっており、4点で支える
差動すべり [差動すべり]
ボールが1回転するときの、内側接触径の円周長さ(πd,)と外側接触径の円周長さ(πd,)との差。この差が大きいとボールは滑りながら回転することで摩擦係数が大きくなり、摩擦抵抗が急激に増加します。
〔図〕溝形状の違い 〔図〕溝形状の違い
差動すべり量が小さく、予圧をかけた場合や荷重が加わった状態でも良好に動作します。 差動すべり量が大きく、以下のような場合だと大きな摩擦抵抗が発生し、異常摩擦により寿命が短くなります。
(1)予圧をかけた場合
(2)横方向の荷重が加わった場合
(3)2軸の取付平行度が悪い場合
取付面精度 ボールの弾性変形と接触点の移動により取付面の狂いが多少あってもブロック内部で吸収し、無理のないスムーズな運動が得られます。これにより、搬送装置のような箇所には高い剛性と 精度をもった強固な取付ベースを必要としません。  ボールが4点接触しボールの弾性変形が阻害され、接触点の移動ができないので(自動調整能力がない)取付面の狂いや軌道台の精度誤差を吸収できず、スムーズな運動が得られません。従って、高剛性の取付ベースを高精度に加工し、さらに高精度のレールを取付ける必要があります。
剛性 2点接触のため、十分な予圧をかけても、異常な転がり抵抗の増加を示さず、高剛性が得られます。 4点接触による差動すべりの発生のため、十分な予圧をかけられず高剛性が得られません。
対街撃荷重 〔図〕溝形状の違い 〔図〕溝形状の違い
衝撃荷重のような超高荷重が作用した場合には、荷重を支える力が半分になり、負荷容量不足となる 衝撃荷重のような超高荷重が作用した場合には、通常は接触していない溝が新たに荷重を負荷するので、大きな耐衝撃性を持たせることが出来る。

選定のポイント

例1 図1のようにリニアガイドを上下運動をさせたいとき

図1

■パターン1

  • ミニチュアリニアガイド
  • 複数軸
  • 各1ブロックにて動作させる

■パターン2

  • ミニチュアリニアガイド
  • 2軸
  • 各2ブロック密着にて動作させる

■パターン3

  • 中荷重用リニアガイド
  • 1軸
  • 各1ブロックにて動作させる

上図だけに限らず、様々なパターンが考えられます。
コストの考慮や荷重・寿命計算を行い、最適なものを選定してください。

例2 コストをなるべく下げたいとき

図2-1

レールの長さをストッパーに合わせて
調整した

レールの長さが中途半端なため
カット費用が追加になる

図2-1

図2-2

赤○部はデッドスペースのため、レールは定尺品を使用

リニアガイドの追加料金が無く、安く仕上がる

図2-2のように定尺品を使うだけでも、不要な出費が抑えることができます。

例3 コストをなるべく下げたいとき(高い精度を必要としない場合)

図3

片側をローラーにすることでコストダウンが可能。

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