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製造現場のためのリニアガイド総合情報

用語集

許容荷重

基本動定格荷重
一群の同じリニアガイドを同じ条件で個々に走行させたとき、そのうちの90%が転がり疲れによる材料の損傷がなく、50×10m3(50km)走行できるような方向と大きさが一定の荷重をいいます。この値は、リニアガイドが荷重を受けて運動する場合の寿命計算に使用します。
基本静定格荷重
最大応力を受けている接触部において、転動体の永久変形量と転動面の永久変形量の和が、転動体の直径の0.0001倍となるような静止荷重をいいます。
この値は、作用荷重に対する静的安全係数を算出するために使用します。
静的許容モーメント
最大応力を受けている接触部において、転動体の永久変形量と転動面の永久変形量の和が、転動体の直径の0.0001倍になるような方向と大きさの一定したモーメ ントをいいます。
リニアガイドでは、下図のようにMA、MB、MCの3方向で定義してあります。
静的安全係数
静止時や低速運動時に受けられる基本静定格荷重は、予期せぬ外力が作用することが考えらえます。これを考慮したものが静的安全係数です。目安を下表に示します。
下表の目安もありますが、十分に余裕をみておくことが安全な設計につながります。

静的安全係数(fsの下限)

使用条件 fsの下限
普通の運転条件のとき 1~2
円滑な走行性能を要求するとき 2~4
振動・衝撃があるとき 3~5

許容荷重 (N)≦ Co/fs
許容モーメント (N・m)≦ (MA、MB、Mc)/fs

fs:静的安全係数 Co:基本静定格荷重
MA、MB、Mc:静的許容モーメント(N・m)

〔図〕静的許容モーメント

剛性

  • リニアガイドに荷重を作用させると転動体やブロック、レールなどは負荷許容範囲で弾性変形します。この変位量と負荷の比率を剛性値といいます。
    リニガイドは普通すきま、軽予圧、中予圧の順で、剛性値が大きくなります。
    剛性は下の式で求められます。

    K=P/δ
    K:剛性値
    δ:変位値
    P:計算荷重

寿命

寿命
リニアガイドが荷重を受けて運動をする場合、転動面や転動体には絶えず繰り返し応力が作用するので、材料の疲れによる、フレーキングと呼ばれるうろこ状の損傷が現れます。寿命とは転動面あるいは転動体のどちらかに、材料の転がり疲れによる最初のフレーキングが発生するまでの総走行距離をいいます。
定格寿命
一群の同じリニアガイドを同じ条件で個々に運動させたとき、そのときの90%がフレーキングを起こすことなく到達できる総走行距離をいいます。十分に余裕をみておくことが安全な設計につながります。

精度と等級

  • レールとブロックのガタツキの度合い。精度は、走り平行度・高さのペア相互差・幅のペア相互差などで決まってきます。等級は精密級・上級・並級などがあります。使用する機器や部位によって、正しく選定することが必要です。また精度は各メーカーが決めていますので、走り平行度などの数値で確認を行ってください。

転動体

  • レールとブロックの間を転がる、ボールまたはローラーのことをいいます。

転動面

  • 転動体が転がる面のことをいい、精密研削加工されています。この面の硬さはHRC58~64とする必要がありますが、それ以下の場合は硬度係数を乗じて寿命計算を行う必要があります。

等価荷重

等価荷重

  • リニアガイドは、ラジアル荷重(PR)・逆ラジアル荷重(PL)・横方向荷重(PT)などの各方向の荷重やモーメントを同時に負荷できます。複数の荷重が同時に負荷する場合は、荷重をラジアル荷重または逆ラジアル荷重に換算した荷重を使用して寿命や静的安全係数を算出します。この複数の荷重を換算した荷重のことを等価荷重と言います。

走り平行度

  • レールを基準ベース面にボルトで締付けた状態で、ブロックをレールの全長にわたり走行 させたときの、ブロックとレール基準面部同士の平行度誤差。
    ※下図でA面(レール取付面)は平面、B面とE面(レール突き当て面)は平行になるように仕上げています。

走り平行度

ペア相互差

ペア相互差

高さHのペア相互差
1本のレールに組み合わされる複数のブロックの、高さ(H)寸法の最小値と最大値の差。
幅W2のペア相互差
1本のレールに組み合わされる複数のブロックと、レール間の幅(W2)寸法の最小値と最大値の差。

負荷荷重

  • 実際にリニアガイドにかかる荷重。ブロック単体にモーメント荷重がかかる場合は、モーメント荷重を作用荷重に換算します。
●作用荷重の算出方法
ブロック単体にモーメント荷重が掛かる場合は次の計算式によってモーメント荷重を作用荷重に換算してください。
水平取付の場合
水平取付の場合
横向き取付の場合
横向き取付の場合

〔図〕作用荷重の算出方法

  • P:作用荷重(N)
  • F:下向荷重
  • Co:静定格荷重(N)
  • MA:静的許容モーメントピッチング方向(N.m)
  • MB:静的許容モーメントヨーイング方向(N.m)
  • MC:静的許容モーメントローリング方向(N.m)
  • Lp:ピッチング方向の荷重点居地(m)
  • Ly:ヨーイング方向の荷重点居地(m)
  • Lr:ローリング方向の荷重点居地(m)

平均荷重

  • ブロックへの負荷荷重が走行中にいろいろな条件によって変動するとき、この変動荷重条件における寿命と等しい寿命となるような一定荷重をいいます。
    運動中の変動の例:往復運動の起動・停止時と定速運動:ワーク搬送時のワークのありなし

補正係数

硬度係数硬度係数

硬度係数
転動面の硬さに対する補正係数。一般的に転動面の硬さをHRC58~64とする必要があり、それ以下の場合に適用する。

補正係数

温度係数温度係数

温度係数
使用環境が100℃をこえるような、高温で使用するときの補正係数。
高温による悪影響を考慮して右図の温度係数を乗じます。

補正係数

接触係数
1本に軸に組付けられるベアリング数 接触係数fc
1 1.00
2 0.81
3 0.72
4 0.66
5 0.61
接触係数
複数のブロックを密着させて使用するときの補正係数。ブロックのバラつきにより均一な荷重分布にならず、その結果リニアガイドの許容荷重が変化するため。

補正係数

荷重係数
使用条件 接触係数fc
外部からの衝撃振動もなく
速度も遅い場合 15m/min以下
1.0~1.5
特に著しい衝撃振動もなく
速度も中速の場合 60m/min以下
1.5~2.0
外部からの衝撃振動がありく
速度は高速の場合 15m/minを超えるもの
2.0~3.5
荷重係数
速度や振動・衝撃の影響に対する補正係数。一般的な機械では振動や衝撃を伴うものが多くそれらの全てを正確に求めることが困難なため。

摩擦抵抗力(必要推力)

  • リニアガイドでは、転動体が転がり運動を行うので、すべり案内に比べ摩擦抵抗が小さくなりますが、負荷荷重や速度、潤滑剤の特性により変化します。特にモーメントを負荷した場合や予圧を与えた場合は、摩擦抵抗力は増加します。またシール抵抗はシールリップのしめしろや潤滑剤の状態により変化しますが、負荷荷重には比例せず常に一定の値を示します。摩擦抵抗力は次式により求められます。

F=μ・w+f

  • F:摩擦抵抗(N)
  • μ:動摩擦係数
  • W:負荷荷重
  • f:シール抵抗(2N~5N)
動摩擦係数
種類 動摩擦係数(μ)
ミニチュアリニアガイド 0.004~0.006
中荷重リニアガイド 0.002~0.003

予圧(ラジアルすきま)

  • 転動体と転動面間のクリアランス。一般的には予圧を与える(マイナスすきまにする)ことで、剛性が高まり、弾性変位が小さくなります。また、運動から生じる振動や衝撃を考慮して、予圧を与えた状態を選定することが、寿命及び精度に好影響をもたらします。

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