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設計・製造現場のための歯車総合情報

歯車豆知識01 -締結の話-

歯車と軸の固定には、通常セットスクリュー、キー、ピン、スプラインなどを使用しますが、より簡単・確実に固定できるメカロックもよく使用されています。
一般的な締結方法や使用される部品、また追加工についてもご紹介します。

一般的な歯車の軸締結方法

連結方法 ボルト(ねじ) キー メカロック ピン スプライン
イメージ図 ボルト(ねじ) キー メカロック ピン スプライン
固定に使用される部品(代表例) ・軸ねじ
・歯車
(ボスにタップ加工)
・ねじ
・軸
(キー溝加工)
・歯車
(キー溝加工)
・軸
・歯車
(段付加工)
・メカロック
・軸
(ピン穴加工)
・歯車
(ボスにピン穴加工)
・ピン
・軸
(スプライン形状加工)
・歯車
(スプライン穴加工)

歯車締結の加工種類

ミスミではお客様の締結方法にあわせ、豊富な加工バリエーションをご用意しています。

項目 加工種類
軸穴
形状
丸穴 丸穴+タップ 丸穴+タップ2箇所 キー溝 キー溝+タップ
丸穴 丸穴+タップ 丸穴+タップ2箇所 キー溝 キー溝+タップ
適用歯車形状 A形 B形 K形 B形 K形 B形 K形 A形 B形 K形
適用最小軸径 Ø3~ Ø3~ Ø3~ Ø8~ Ø8~
項目 加工種類
軸穴
形状
キー溝穴+タップ2箇所 メカロック用穴 側面タップ穴4・3箇所 側面ザグリ4・3箇所
キー溝穴+タップ2箇所 メカロック用穴 側面タップ穴4・3箇所 側面ザグリ4・3箇所
適用歯車形状 B形 K形 E形 E形 G形 A形 B形 A形 B形
適用最小軸径 Ø8~ Ø8~ Ø8~ Ø8~

ミスミオリジナル商品 : 面圧歯車のご紹介

面圧歯車とは、締結の為の面圧ブッシュと歯車を組み合わせたミスミオリジナルの商品です。
テーパ―状のくさびのような部品(面圧ブッシュ)を使用し、ボルトを締め上げることで、軸(シャフト)とハブ(歯車、プーリー)の間に面圧ブッシュを挟み込んで固定する締結構造です。
軸に特殊な加工(硬度指定)が不要で、組み付けの際、軸を傷つけない、摩擦締結なのでゼロバックラッシュという利点があります。
ミスミでは『面圧』と呼びますが、同様の摩擦締結構造の部品をメカロック(アイセル社の商標)、パワーロック(椿本社)とも言います。

面圧歯車 商品詳細へ

ミスミ面圧歯車の構造

ミスミ面圧歯車の構造

締結原理

締結原理

通常メカロックを使う際、メカロック単品とハブ、軸を組合せて使用しますが、ミスミではメカロック機能の一部(面圧ブッシュ)をハブ(歯車)に移すことによって、
部品点数を減らし、組合せ精度を向上させた商品を実現しました。

【取付例】メカロック+歯車

メカロック商品詳細へ

【取付例】面圧歯車

面圧歯車商品詳細へ

面圧歯車の特長

組立・解体が簡単で何回でも使用でき、回転体の組付けの位置調整が容易です。キー溝等、軸側への加工が不要で安価、軸の強度の低下がありません。
また、ガタなく(ゼロバックラッシュ)、振動、衝撃に強いことも利点です。

組付け時間の比較

面圧歯車とそれ以外の商品で組み付けにかかる時間を比較しました。
結果、最も短い時間で組付けと取外しができていたのは、面圧締結でした。

項目 面圧止め メカロック+既存品追加工 メカロック薄肉タイプ+歯車既存品追加工
部品点数 2点 3点 3点
部品 軸:PSFR10-100
面圧歯車:GEALG2.0-30-20-E-10
軸:PSFR10-100
歯車:GEAHBB2.0-30-20-A-10-DHL-Z23-J16
メカロックスタンダード:MLMB10
軸:PSFR10-100
歯車:GEAHBB2.0-30-20-A-10-
DHR-Z13-J9.5-QTC21-M4

メカロック肉薄タイプ:MLSL10
組付け時間 測定 組付け 取外す 組付け 取外す 組付け 取外す
1回目 70S 95S 115S 85S 134S 103S
2回目 72S 106S 115S 116S 130S 146S
3回目 65S 74S 98S 100S 159S 93S
平均 69S 92S 109S 100S 141S 114S
動画 動画 動画

動画に関する注意事項

  • ※ この動画は製品自体の性能を保証するものではありません。ご参考としてご覧ください。
  • ※ 本製品の組付け及び取外しの時間は、組み立て未経験者の作業時間で、あくまでも目安となります。
  • ご使用環境及び用途に応じて作業時間が変わる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

ご利用方法

面圧歯車の形状はE形、F形、G形の3タイプ。
数本のボルトを調整すれば、軸の組付け、取外しができます。※軸径8mm程度の場合は、以下図をご参照ください。

形状 E形 F形 G形
歯車形状
軸径8mm程度
E形 F形 G形
E形 F形
商品詳細へ
G形

組付け方法

事前準備

・軸表面のごみをふき取り、潤滑油かグリースを薄く塗ってください。(モリブデン系減摩剤を含有した潤滑油・グリースは使用しないでください。)
・平歯車とブッシュの接触面も同様に、きれいに拭き潤滑油もしくはグリースを塗布してください。また、締付けボルトのねじ面・座面にも塗布してください。

  • 平歯車とブッシュを仮組
(軸を通さずにブッシュをボルト締めしないでください)
  • 仮組する平歯車とブッシュに
軸を挿入(軸を通さずにブッシュをボルト締めしないでください)
  • 軸の位置決め調整
  • 締付けボルトをトルクレンチ
に当てる
  • 締付けボルトをトルクレンチで対角線の順番で最初は軽く(締付けトルクの約1/4まで)締付け。次にトルクを上げて(締付けトルクの約1/2まで)締付け。
  • トルクレンチで、締付けボルトを時計回りで順番に締付け
  • 取付け完了

注意

  • ・取付け時には、必ず潤滑油かグリースを塗付してください。塗付しない場合、きちんと締付けが出来ず、軸が空回りする場合があります。
  • ・ブッシュは軸を挿入後にボルト締めしてください。(挿入前にボルト締めすると、ブッシュが変形します)
  • ・ボルトの締付けには、トルクレンチをご使用ください。
  • ・締付けボルトは付属されている以外のボルトを使用しないでください。

取り外し方法

  • 締付けボルトを円周方向に順番に緩める
  • 締付けボルトを取付け穴から外す
  • 締付けボルトを取外し用ねじ穴に挿入
  • 締付けボルトをトルクレンチで対角線の順番に軽く締付け
  • 締付けボルトを対角線の順番に均等に締める
  • トルクレンチで締付けボルトを円周方向に順番に締付け
  • 取外し完了

注意

  • ・装置が完全に停止した状態にて作業を行ってください。
  • ・再取付け時は、“取付け”の手順を繰り返してください。
面圧歯車 商品詳細へ

面圧品の代替選定方法

面圧品のバリエーションが無い際には代替えとして、歯車追加工とメカロック単品の組み合わせでも摩擦締結することが可能です。
FA装置内では小歯車を使う場合が多く、スペースの狭い場所でも、メカロック肉薄タイプと歯車追加工で面圧締結が実現可能です。

各商品選定のフロー
軸径を選ぶ
メカロック スタンダードタイプの型式を決める
メカロックの取り付け寸法を選ぶ
追加工を含めて歯車型式を決める

軸Φ10を選ぶ

メカロック(MLMB10)を選ぶ

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メカロックの取り付け寸法を選ぶ

メカロックを取り付ける穴寸法は直径23mm、ハブ加工深さは16mmとなります。(カタログ1-1525ご参照)

商品詳細へ

追加工を含めて歯車型式を決める

歯車の基本仕様を決める

例:歯車はモジュール2.0、歯数は30

歯車基本仕様の型式を生成する

例:歯車の基本仕様型式はGEAHBB2.0-30-20-A-10

歯車の追加工型式を生成する

歯車とメカロックを組み付けるためには、歯車の軸穴径に段付追加工が必要です。

例:追加工型式はDHL-Z23-J16
歯車の最終的な型式はGEAHBB2.0-30-20-A-10-DHL-Z23-J16

  • 基本仕様
  • 矢印

歯車、メカロックをΦ10の軸と組み合わせた場合

  • 歯車
  • 矢印
  • 歯車+メカロックΦ10の軸との組み合わせ

お客様の声を聞かせてください

ミスミ歯車の現状について、アンケートにご協力ください。回答時間:5分程度

アンケートに回答する

規格追加及び新商品へのご要望

ミスミでは歯車を使うお客様のご意見・ご要望を積極的にお聴きするために、下記歯車専用窓口を新設致しました。
今後もお客様の声を取り入れた商品開発を進めてまいります!
お客様のご感想やご要望を商品、サービスの開発・改善につなげる試みを行っていますので、皆様からのご意見をお待ちしております。

メカニカル部品技術窓口

Tel 0120-343-603

営業時間:8:00~20:00(日曜日・年末年始は除く)

Fax 03-5805-7292