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設計・製造現場のための歯車総合情報

基本換算式

  1. ① 原動動力(kW)
  2. ② 回転比(u)
  3. ③ 軸間距離
  4. ④ モジュール(m)
  5. ⑤ 歯先円直径(D)
  6. ⑥ 歯底円直径(G)

材料の機械的性質と特長

材料の決定。一般的には材質の機械的性質と特長によって、決定する(表1参照)。

例えば、樹脂歯車とステンレス歯車の噛合いパターンでは、樹脂の自給油性とステンレスの熱伝導性及び両方の耐食性を利用する噛合いパターンとなる。

表1: 歯車に使用する材料の一般的特長

項目 MCナイロン
(MC901)
ポリアセタール
(POM)
快削黄銅
(C3604)
ステンレス鋼
(SUS303/304)
機械構造用炭素鋼
(S45C)
機械構造用炭素鋼
(S45C高周波焼入れ)
比重 1.16 1.42 8.50 7.93 7.87 7.87
硬度 120HRR 119HRR 80HV以上 10HRC以下 12HRC以下 51~55HRC
連続使用温度 -40~120℃ -45~96℃ - - - -
特長 自給油性・軽量・
対摩耗性
自給油性・軽量・
寸法安定性
耐食性・熱伝導性・
展延性
耐食性・熱伝導性 汎用性 汎用性・耐久性
使用用途
(一般的材質)
軽負荷 軽負荷 軽負荷 軽負荷~中負荷 軽~高負荷 中~高負荷

モジュールの大きさ

モジュール(m)は歯の大きさを表す単位。 一般的には、負荷が高ければ高いほどモジュールを大きくする傾向(表2参照)。

表2:ピッチ・歯たけ比較表(mm)

モジュール
m
ピッチ値
p=m×π
歯たけ
hp=m×2.25
0.5 1.5708 1.1250
0.8 2.5133 1.8000
1.0 3.1416 2.2500
1.5 4.7124 3.3750
2.0 6.2832 4.5000
2.5 7.8540 5.6250
3.0 9.4248 6.7500

※同じモジュールでないと、噛み合いません。

各種歯車の最小歯数

一般的に歯数は12以下にしないように設定する。歯数を決定する時には最小歯数以上の歯数を選定(表3参照)。

表3:平歯車各タイプ・モジュール最小歯数一覧表

モジュール 軸穴指定 歯幅・
ボス指定
歯研 樹脂 樹脂融着 面圧 ベアリング
組込
0.5 15 20 - 15 - - -
0.8 12 15 12
1.0 20 18 15 30 35 20
1.5 16 15 28 20 15
2.0 15 12 20 15 15
2.5 18 16 18 14 -
3.0 12 16 12

タップ・キー溝寸法表

タップ穴タイプ選定時、下表をご参照ください。

タップ穴タイプ

タップ穴寸法表

軸穴径
PH7
M
(並目)
付属品
セットスクリュー
3~5 M3 M3×3
6~12 M4 M4×3
13~17 M5 M5×4
18~30 M6 M6×5
31~45 M8 M8×6
46~56 M10 M10×8

キー溝穴タイプ選定時、下表をご参照ください。

キー溝穴タイプ

新JIS(B1301)キー溝寸法表

呼び dh7 bJS9 t公差
8N 8 + 0.015
0
3 ±0.0125 1.4 + 0.1
0
10N 10
10K 10 4 ±0.0150 1.8
11N 11 + 0.018
0
12N 12
13N 13 5 2.3
14N 14
15N 15
16N 16
17N 17
18N 18 6 2.8
19N 19 + 0.021
0
20N 20
21N 21
22N 22
23N 23 8 ±0.0180 3.3 + 0.2
0
24N 24
25N 25
26N 26
27N 27
28N 28
29N 29
30N 30
呼び dh7 bJS9 t公差
31N 31 + 0.025
0
10 ±0.0180 3.3 + 0.2
0
32N 32
33N 33
34N 34
35N 35
36N 36
37N 37
38N 38
39N 39 12 ±0.0215
40N 40
41N 41
42N 42
43N 43
44N 44
45N 45 14 3.8
46N 46
47N 47
48N 48
49N 49
50N 50

締結パターン

歯車機構にかかるトルクにより、軸締結穴種を設定可能。通常仕様で、締結が不十分な場合、追加工して対応することも可能(表4参照)。

表4:軸穴締結パターン一覧表

項目 通常仕様
軸穴
形状
丸穴 丸穴+タップ キー溝 キー溝+タップ
使用条件 - 小トルク 高トルク 高トルク
適用歯車形状 A形 B形 K形 B形 K形 A形 B形 K形
適用最小軸径 Ø3~ Ø3~ Ø8~ Ø8~
項目 追加工 面圧品 ベアリング組込品
軸穴
形状
丸穴+タップ+KC メカロック用丸穴 ベアリング穴
使用条件 小トルク 中トルク フリー回転
適用歯車形状 A形 B形 K形 E形 F形 G形 A形
適用最小軸径 Ø3~ Ø8~ Ø5~

騒音比較

試験条件

使用歯車
歯数30、歯幅5mm、表面処理なし
S45C+S45Cの場合、グリース潤滑実施
MCナイロン+SUS304の場合、無給油
中心距離補正
+0.1mm
トルク
0.2kgf・cm
測定点
噛合い点から30㎝離れた位置

騒音比較グラフ

歯車許容伝達力(曲げ強さ)算出条件

各商品ページに記載の許容伝達力は下記条件にて算出(表6参照)。

表6:許容伝達動力(曲げ強さ)の算出条件

材質 S45C
-
S45C
歯面高周波焼入
SUS304 快削黄銅棒 MCナイロン ポリアセタール
計算式 JGMA401-01 ルイスの式
相手歯車 同一材質・同一歯数 - 金属材質
回転数 100rpm 500rpm 100rpm 100rpm
潤滑形式 - - - - 無潤滑
周囲温度 - - - - 40℃ 20℃
繰り返し回数 107回以上 - 107
原動機側からの衝撃 均一負荷 均一負荷
従動機側からの衝撃 均一負荷 均一負荷
負荷の方向 両方向 -
許容歯元曲げ応力
(kgf/mm2
18.4 23 10.5 4
安全率 1.2

※許容歯元伝達力は、負荷の方向が両方向のため2/3にした値になる。

メカニカル部品技術窓口

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