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Vol. 7 「標準化」戦略でニーズ対応力向上 (ファシリティ様)

電気制御部 両角課長

電気制御部 両角課長

課題

・調達難による全体プロセスの時間削減
・高精度な制御装置や機構設計の効率化

取り組み

1.設計フォーマット標準化
2.カスタムメイドな教育方法を意識

効果

1.属人化からの脱却
2.製造時間の短縮、効率化

身の回りに溢れるプリント基板の製造を支える

はじめに事業についてお教えいただけますでしょうか。

両角さま:主な事業としては基板メーカーさま向けに、プリント基板の表面に銅のめっきを付着させる縦型連続めっき装置やバッチ式めっき装置などの製造・販売をしています。
プリント基板は、車やパソコン、スマートフォンなど皆さんの身の回りにある製品に多く組み込まれています。電気を制御する役割を持っているので、例えば家庭用の炊飯器にも小さな基盤が入っており、電気を使うものにはほぼすべて必要となります。

装置を製造される際に、お客さまからはどのような点が求められるのでしょうか。

両角さま:まず、動作の精度が高いこと、そして温度管理などがシビアに求められます。めっきの噴流や流量もしっかり制御できるようにしなければなりませんので、サーボモーターや電流を変換するインバーターなどを使ってお客さまのご希望に添えるよう性能向上に取り組んでいます。

縦型連続めっき装置

縦型連続めっき装置

バッチ式めっき装置

バッチ式めっき装置

めっき装置は量産されたものをお客さまにご提供されているのでしょうか。

両角さま:いえ、お客さまの求める仕様に合わせてご提供しています。お客さまからご注文を受けてから納品までは1年ほどかかり、現在はライン長30m程度の製品を平均で1ヵ月1台納品しています。お客さまのご要望を受けて、当社が長年培ってきたノウハウを活かした装置内部の制御や機構の設計提案を心がけております。

Facility DG(中国工場)で製品を製造

Facility DG(中国工場)で製品を製造

近年の電化製品等の変化によって、プリント基板への変化などを感じられますか。

両角さま:基盤が年々薄くなってきているのは実感しています。以前は1mmほどあった厚さが、今は紙のようにぺらぺらになっているんですよ。この薄さにめっきをするのはなかなか難しくて。
そのため従来に比べ、より精緻にめっきの流量の制御や温度管理ができる必要性が増しています。

顧客ごとのカスタマイズから「標準化」で効率化を図る

両角さまが部品調達される際に、重要視されていることを教えてください。

両角さま:私は電気の設計を担当しているので、日常的にどのメーカーの部品を使うのかを選定しています。その際に一番見ているのはやはり品質ですね。納期はもちろん早い方が良いですが、昨今の事情もありますし、仕方ないと思っています。
普段は商社からまとめて購入していますが、なければミスミさんで探すので、私たちにとって最後の砦のような存在です。もし欠品になっていたら、「ミスミさんが入手できないものを入手できるはずない」と諦めもありつつ、とても困りますね(笑)

確かに、調達難により全体プロセスの時間削減が求められるようになってきたと感じます。

両角さま:当社もより短納期でお客さまにご提供できるよう、現在、製品の「標準化」に取り組んでいます。先ほどお伝えした通り、いまはお客さまごとにカスタマイズして提供しているのですが、お客さまごとに全く異なる製品設計を繰り返していると効率化が進みません。
そこで当社の標準フォーマットを定め、お客さまニーズに合わせて細部を変更していく進め方へ変えていこうとの全社方針が決まり、取り組みを進めているところです。

標準化することで、効率化以外にも利点が多くありそうですね。

両角さま:そうですね。めっき装置はものによって1万点ほどの部品が必要になるのですが、当社スペースの関係上、基本的に都度購入しています。標準化すれば必要部品におおよそ目途がつくので、必要に応じてある程度の数量は確保しておくことやコスト面も読めるので、効率化以上の効果が生まれてくると思います。

技術情報をものづくりの教育ツールとして活用

ミスミのサービスをご利用されていて、「こんな機能がほしい」などご要望はありますでしょうか。

両角さま:銘板を作ってくれる「彫刻銘板サービス」はよく利用していますよ。もう少しサイトが軽く動作するようになればより使い勝手が良くなると思います。
またECサイトに技術情報ページがありますよね。あの情報が教育ツールになればいいなと。当社は人手が少ないために教育のための時間を設けることが難しく、OJTとして先輩と一緒に仕事をしながら覚えていくしかありません。
そのため、新入社員用に技術情報ページのような内容の講義をWebの動画で視聴できると、基本的なことは新入社員が自分で学習することができるじゃないですか。そうすれば、応用部分を現場の社員が教えれば良いので、すごく需要があると思いますよ。

ミスミの技術情報ページ

ミスミの技術情報ページ(https://jp.misumi-ec.com/tech-info/

確かに習熟速度が高まりそうです。今後の両角さまが取り組みたいことなど教えてください。

両角さま:先ほどお伝えした設計フォーマットを作り、標準化を進めていくことですね。そうすると属人化から脱却することもできます。
一方で、標準化は簡単なものではないことも実感しています。ただ、シンプルにするだけでは通用しなくて、簡素化して良いところ、駄目なところがあるんですよ。その見極めが非常に難しい。安易な方法に飛びつくと、大体失敗してしまいますね。この標準化をやり遂げるには、やはり長年の経験が必要になります。
現時点では全体の30%程度の進捗でまだまだ時間がかかりそうですが、顧客のニーズにも応える設計フォーマットの標準化の確立を今後も推進していきたいです。

■お客さま情報

社名
株式会社ファシリティ Facility Co.,Ltd.
代表者
岸 一之
設立
1980年3月
資本金
2億386万円
営業品目
プリント基板製造設備の製造、販売及び輸出入業務
太陽電池製造設備の製造、販売及び輸出入業務
コンピューターによる自動制御装置の設計、製作、販売及び輸出
硫酸銅、パラフォルム、酸化銅等工業用薬品の販売及び輸出
めっき用機械設備の輸出入業務 前各号に附帯する一切の業務
従業員数
45名
Webサイト
http://www.facility.co.jp/

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