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FA小ネタの部屋
FAにまつわる雑学を博士がわかりやすく解説!設計の合間の息抜きにどうぞ

No.13  ~安全第一編~

Q 製造業界では、誰しも一度は聞いたことがある言葉「安全第一」。
これは、工場や建設現場などの職場において安全を何よりも重要に考えるという意味のスローガンです。
さて、実は「安全第一」のスローガンには続きがあります。それは何でしょうか。

1. 生産第二、品質第三
2. 品質第二、生産第三
3. 顧客第二、品質第三
A 正解は、2.品質第二、生産第三
「安全第一、品質第二、生産第三」は元々アメリカで生まれたスローガンだったが、当初は「生産第一、品質第二、安全第三」というスローガンでした。
しかし、生産を重視するあまり労働災害が多発していたことから、現在のスローガンに切り替えられたそうです。
また、日本では1912年に現在のスローガンが入ってきました。最初は「安全第一」ではなく、「安全専一」と呼ばれていたそうです。

No.12  ~回転寿司編~

Q 日本を代表するソウルフード、お寿司!
お正月に召し上がった方も多いのではないでしょうか。
さて、お子様にも人気の「回転寿司」は、実は工場の中の「ある物」をヒントに開発されたそうです。

1. ベルトコンベヤ
2. 電動機(モーター)
3. 旋盤
A 正解は、1.ベルトコンベヤ
回転寿司のレーンを最初に生み出したのは、元禄産業株式会社の創設者である白石義明氏でした。
彼は、立ち食い寿司店を経営するにあたりお客さまの多さに対して寿司職人が少なく、お店がうまく回らない状況に陥っていました。
その時にたまたま工場見学したビール工場の製造に使われているベルトコンベヤからヒントを得て開発した「旋回式食事台」が、
当時は高級食であった「寿司」を手軽な大衆食にし、今日の回転寿司の基礎を築きあげたのが始まりだったそうです。

No.11  ~産業の〇〇編~

Q 日本が高度成長期にあった時代、鉄鋼は「産業のコメ」と呼ばれていました。
それは経済発展の中核を担うモノを指し、近年では半導体がそう呼ばれるなど、時代とともに変わっていきます。
それでは、現在、産業の塩と呼ばれているものは何でしょう?

1. 電気
2. ねじ
3. 製造業界で働く皆さんが流す汗の結晶
A 正解は、2. ねじ。
料理でいう「塩」のように、目立たないがどんなものにも使われていて、なくてはならないもの、という意味が込められているようです。
時代によって移り変わるとお伝えしましたが、最近では、「塩」といえば水晶デバイス、という考え方も出てきています。電子機器になくてはならないものだからですね。
ほかにも、「ハイテク産業のビタミン」はレアメタルと言われています。その重要性をたとえた表現を探してみると、興味深い発見がありそうです。

No.10  ~富岡製糸場編~

Q 明治5年10月4日は、富岡製糸場が操業を開始した日です。
オートメーション化のモデル工場となったことでも有名ですね。
「富岡製糸場と絹産業遺産群」として世界遺産に登録されますが、製糸場以外に「絹産業遺産群」も指定されています。
それはどんな背景があったからでしょう?

ヒント:黒船来航により、急速な近代化が必要だったが…
A 江戸末期、黒船来航により突如として欧米の技術力を目の当たりにした日本は、近代化を急ぎます。
その上で重要な役割を果たすのが、重工業による産業化です。
しかし、そのためには初期の設備投資等にあてる膨大な資金が必要です。
ただ、当時の日本には、その資金がなかった…

そこで、絹産業(軽工業)に目を付けました。
もともと広く行われていた生糸の生産にフランスの技術を導入し、
高品質の生糸を生産して輸出し、大成功をおさめました。

そこで得たお金を使い、日本は本格的な産業革命を推し進めることができたのです。
その歴史背景を含めた遺産のため、富岡製糸場だけではなく、絹産業遺産群として世界遺産登録がなされました。

参考:特定非営利活動法人 世界遺産アカデミー

No.9  ~電話編~

Q 9/11は公衆電話の日です。
電話を発明したベルは、家族の職業に大きく影響を受け、この世紀の発明を成し遂げたといわれています。
どのような職業だったでしょう。

1. 父と母が、ピアノ奏者だった
2. 祖父と父が、声の研究者だった
3. 年の離れた兄が、解剖学者だった
A 正解は、2.祖父と父が、声の研究者だった。
ベルの祖父は弁論術と発声法の大家で、父は読唇術の創始者だったといわれています。
母はピアノ奏者で、ベルにピアノと芸術を教えていましたが、父は奏者ではなかったので、1はひっかけとなります。
母は聴覚に障がいを持っており、その症状が進行した際に、ベルは家族のサポートのもと、手話を習得し、音響学の学習を開始しました。
その後、ベルは音の研究に熱を入れ、のちに世界初の電話を発明しました。偉大な発明には、このような背景があったのですね。

No.8  ~エアコン編~

Q 夏の必需品、エアコン。1850年、エアコンの原型となる製氷機がアメリカ人医師によって製作されました。
一般にどのように公開されたでしょう。

1. 氷で室温を下げた病室を開放した
2. パーティーで冷たいワインをふるまった
3. キンキンに冷やしたそうめんを提供した
A 正解は、2.パーティーで冷たいワインをふるまった。
1850年7月、アメリカのフロリダは例年通り、暑い夏を迎えました。
フランス領事館が主催したパーティで、医師のジョン・ゴリーは、自作の製氷機で作った氷でワインを冷やし、お披露目したそうです。
その日はパリ祭。フランス革命ではフランスは市民たちに望むものを提供したということに結びつけ、
「本日は領事館も、みなさんの欲しいものを提供します。…それは、冷えたワインです!」と発表してふるまったとか。
その時代、氷は大変貴重だったため、夏に冷たいワインを飲む機会は滅多になかったとのこと。
新しい技術の公開の仕方も、気が利いていますね。

No.7  ~扇風機編~

Q 暑い夏、扇風機が活躍する季節がやってきました。
明治時代の中期には扇風機の初期型が発売されましたが、当時あるものが付いていました。それは何でしょう。

1. 電球
2. ラジオ
3. 簡易掃除機
A 正解は、1.電球。
スイッチを入れると、扇風機が回るとともに、電球がともりました。
現在のように電動機を使った扇風機が日本に登場したのは、1890年代の終わりごろ。
当時は家庭用電気製品といえば、白熱電球か扇風機という時代だったため、どちらも備えた扇風機は世間の注目の的になったようです。
なぜ電球がつけられたかは明らかになっていませんが、不安定な電流を安定させるための抵抗としてつけたという説が有力です。

No.6  ~ばね編~

Q 「ばね」は英語で「spring」。「春」も同じ単語を使います。
では、なぜ同じ単語を使うようになったのでしょう。語源を考えてみましょう。

1. 春になり、気分が高揚した子供がばねのように跳びはね始めたため
2. ばね→飛び出す→泉が湧き出す→春、という風に連想されていった
3. 古代ギリシャでばねを使った弓機の世界大会が開かれるのが、毎年春だった
A 正解は、2.ばね→飛び出す→泉が湧き出す→春、という風に連想されていった。
寒い冬が終わり、待ちに待った暖かい春が来る。
その春の語源が「ばね」にあったと知ると、さらに味わい深い季節になるかもしれませんね。

No.5  ~ゴム編~

Q 広く使われる「ゴム」。
実は発見から実用までの歴史は長く、弾性や強度の欠点を克服する必要がありました。
ある時、アメリカの研究者がふとした偶然から突破口を発見します。
何をした時でしょう。

1. 牛脂と勘違いし、フライパンに乗せ料理した時
2. 実験中に居眠りし、ストーブの前に放置した時
3. 研究を諦めようと素材をかき集め、火にくべた時
A 正解は、2. 実験中に居眠りし、ストーブの前に放置した時。
アメリカ人発明家のチャールズ・グッドイヤーは、猛暑でも溶けない「ゴム」の研究をしていました。
10年近くあらゆる手を尽くしましたが、良い方法が見つからず途方に暮れる日々が続きました。そんなある日、ゴムをストーブの前にうっかり放置してしまいました。
ゴム表面にはわずかな保護膜ができ、それ以上は溶けていないことを発見しました。これが「加硫」という処理法につながります。

きっかけは偶然のできごとですが、成果を追い求めて研究を続けた根気強さと、些細な変化を見極める磨き抜かれた観察眼が突破口になった逸話として知られています。

No.4  ~2月特別編~

Q 今日は節分。みなさん、豆はまきましたか?
この中で、豆まきをしなくていいと言われている人がいます。一体だれでしょう?

1. 京都より北に住む人
2. 名字がワタナベの人
3. 正月に餅を10個以上食べた人
A 正解は、2.名字がワタナベの人。
時は遡り、平安時代。数々の悪事を働く鬼の大親分、酒呑童子を、武将・渡辺綱の一行がみごと退治したという逸話から、「ワタナベ」姓の者は豆まきをしなくてもよいという風習が広がったのだといいます。この鬼退治を題材にした浮世絵は多く残っており、鬼たちの描き方から当時の価値観がみてとれます。今年の節分は、知ってるようで知らない、鬼について調べてみても面白いかもしれませんね。
Q 明治の産業革命の象徴として、世界遺産を保有する街、北九州市。
おみやげとして、鋳物とそっくりの工程で作られているチョコレートがあります。それは何でしょう?

1. 実際にかみ合う歯車
2. ねじが回せるボルト&ナット
3. 組み立てできるアルミフレーム
A 正解は、2のねじが回せるボルト&ナット。
観光客の増加に伴い、北九州オリジナルのおみやげを作ろうと、2016年に北九州の洋菓子店で開発されました。

作り方は以下の通り。
・3Dプリンタで最終製品と同じ形のモデルを作る
・食品用シリコンでねじ用とナット用の型を起こす
・型にチョコレートを流し込み、手作業で型からはずす

この工程が「鋳物とそっくり」なのです。
何度も試作を重ね、ねじの回しやすさを追求したのだとか。
北九州市へ訪問した際には、おみやげで買ってみては?

> ねじみたいに回せる!北九州土産の新定番「ネジチョコ」とは?

No.3  ~静電気編~

Q 冬はパチっと静電気の季節。
その性質は身近なものにも使われています。
この中で静電気が使われているものは何でしょう?

1. サランラップ
2. コピー機
3. お正月の風物詩、凧揚げの凧
A 答えは、1のサランラップと、2のコピー機です。
サランラップは、ラップを引き出す時に静電気を発生させ、静電気の力で物と密着させます。(静電気の他にもファンデルワールス力、減圧吸着の力も使われています)
コピー機は、静電気のない部分にトナーが吸着する仕組みを利用し、印字する/しない部分を分け、プリントしています。
パチっと痛いだけと思いがちですが、身近なところで使われている力なのですね。

No.2  ~ボルト編~

Q きれいに並べると気持ちがいい六角レンチ。
なぜ六角か、ご存じですか?

説1. 実はDNAの塩基の形状に由来する
説2. 鎌倉時代に勢力を誇った武家の六角家が広めたため
説3. 亀の甲羅の六角形でボルトの原型を作ったのが始まり
A 前回のねじに引き続き、実は明確な答えはありません。
四角、八角ではなぜNGなのか?を考えてみると、答えが見つかるかもしれません。
四角だと、角が直角のため工具がスムーズにかけにくく、またそのために角とレンチが接触し、欠けやすくなることが考えられます。
八角だと、工具とボルトの接触面積が小さくなり、ボルトにかかる力が少なくなります。
それらを踏まえた上で、もっともバランスが取れているのが六角なので、六角が普及したのかもしれませんね。

No.1  ~ねじ編~

Q ねじは基本的に右回り。それは右利きが多いから?
なぜ右利きの人が多いか、知っていますか?

A. 地球の自転が右回りだから
B. 左にある心臓を右手で守るため
C. 最初に火起こしの道具を作った人がたまたま右利きだったから
A 実は明確な答えはありません。
ただ、通説ですが、進化の過程で人類が集団で暮らすようになり、「言葉」がよく使われるようになったことが原因と言われています。
それにより、言葉を話すときに使う「言語野」のある左脳が発達しました。
左脳は右手と右足に直結しているため、右利きの人が多くなったという説があります。
では、左利きには一体どんなカラクリがあるのか?それはまた今度にしましょう。脳の世界は奥深いですね。