リニアブッシュとは
構造・各社呼び名
リニアブッシュの構造
- リニアブッシュは転がり案内の直動機構です。
リニアシャフトと組み合わせて使用され、鋼球の転がりを利用して無限直線運動をします。(無限直線運動:シャフトが続く限り直線運動が可能ということ) - 無給油ブッシュなどのすべり案内の軸受に比べ、低摩擦かつ高精度な直線運動が得られます。
各社呼び名
リニアブッシュ | リニアブッシュ | スライドブッシュ | リニアブッシング | リニアベアリング | リニアボール軸受 |
リニアブッシュの種類と特長
種類 | 特長 | |
---|---|---|
ストレートタイプ | リニアブッシュで最も一般的な規格 | |
フランジタイプ | 取付用フランジをねじ止めできるため 組付けが便利な規格 | |
ハウジングタイプ | アルミの外筒にリニアブッシュを内蔵しており、 部品点数・加工工数削減が可能 | |
すきま調整タイプ 解放タイプ | 外筒にシャフト方向のすり割りがあり、ハウジングで締め付ける ことによりシャフトとの隙間を調整し予圧状態にすることが可能 (調整不可能なタイプもあります) |
各種直動機構との特性比較(早見表)
リニアブッシュ | 無給油ブッシュ | ミニチュアボールガイド | ボールスプライン | リニアガイド | |
---|---|---|---|---|---|
製品 | |||||
コスト | ◎ | ◎ | ○ | △ | △ |
摩擦抵抗 | ○ (シール抵抗) | △ | ◎ | ○ (シール抵抗) | ○ (シール抵抗) |
耐荷重性 | ○ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ |
精度 | ○ | △ | ○ | ◎ | ◎ |
回転運動 | - | ○ | ○ | -(※) | - |
◎リニアブッシュ・無給油ブッシュ・ミニチュアボールガイド・ボールスプラインは内径dr10、リニアガイドはブロック高さH20タイプを用いて比較
(リニアガイドはリニアガイドブロック高さと、リニアブッシュ内径dr10をハウジング組付時のハウジング高さが同じとなる規格で比較)
◎リニアブッシュ・ボールスプライン・リニアガイドはシール部分の摩擦抵抗有り。ミニチュアボールガイドはシールないため、摩擦抵抗無し
※ボールスプラインの回転運動は、回転トルクの伝達を行いながら直動運動をさせることが可能
部品ごとの性能比較の詳細版はこちらから
リニアブッシュと無給油ブッシュの違い
- リニアブッシュ
- 保持器と軸との間にボールがあり、
転がり運動によって作動します。 ボールが摺動するのですきまなく、軽く動作する。
- リニアブッシュはこちらの方式です
- 無給油ブッシュ
- すべり摩擦だけが生ずる軸受であり、一般的には軸を面で支持し、その面と軸とが相対的にすべり運動をします。
すきまがあるので、ガタが生じる。すきまをなくすと、
動かなくなる。- 無給油ブッシュはこちらの方式です
リニアブッシュとボールスプライン・ミニチュアボールガイドとの違い
軸を用いた直動機構の模式図
- リニアブッシュ
- ボールはブッシュに直線状に配列されており、
ボールと軸は点接触で摺動します。
- ボールスプライン
- ボールがスプライン軸の溝の上を転動するため、
ボールと軸の接触面積が大きく、回転方向へのずれもありません。
- ミニチュアボールガイド
- ボールがブッシュに千鳥状に配列されています。
リニアブッシュよりガタつきを小さくすることができます。
リニアブッシュとリニアガイドとの違い
- リニアブッシュ
- ボールがシャフトと点で接触
- 転動溝がないため、接触面積が狭く、許容荷重が小さくなります。
そのため、荷重を受けながらの運動には不向きです。
- リニアガイド
- ボールがレールと面で接触
- ボールの転がる転動溝があり、接触面積が広いため、許容荷重が大きくなります。そのため、荷重を受けながら運動させることが可能です。