製造現場のためのカップリング選定情報
取り付け方法
アライメントの調整
- 1.カップリングは、ミスアライメントを許容し、回転角やトルクを伝達しますが、ミスアライメントが許容値を超える場合には、振動が発生したり、寿命が急速に低下することがあります。
アライメント調整は必ず行ってください。 - 2.軸心のミスアライメントには、偏心(両軸心の平行誤差)・偏角(両軸心の角度誤差)・エンドプレイ(軸の軸方向の移動)があります。
各製品の寸法・性能表に記載された許容値以下となるように軸のアライメントを調整してください。 - 3.寸法・性能表に記載されたミスアライメントの許容値は、偏心・偏角・エンドプレイのどれか1つが単独で発生している場合のものです。
2つ以上のミスアライメントが複合する場合は、それぞれの許容値は1/2となります。 - 4.ミスアライメントは、装置への取り付け時だけでなく、運転中の振動、熱膨張、軸受の摩耗などが要因になって発生することがあります。
このため、ミスアライメントは許容値の1/3以下とすることを推奨します。
- 偏心
- 偏角(中心一致)
- 偏角(中心不一致)
- 偏心・偏角の複合
- エンドプレイ
- 振れ
取り付け前の確認事項
モーター出力軸の振れ精度を確認します。
カップリングを取り付けるモーター出力軸の振れを測定することにより、芯出し精度の基準値を把握し、カップリング取り付けを開始します。
右図のようにモーター軸にダイヤルゲージを当て、振れ量を確認してください。
モーターの軸振れ量は各社にて規定されていますが、この状態で芯ズレを起こしている可能性もあります。
取り付け手順
- STEP1カップリングを挿入
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クランプボルトが緩んでいることを確認し、軸及びカップリング軸穴部のホコリ、ゴミ、油分を除去してください。
次に、軸にカップリングを挿入するとき、ディスク部に圧縮、引張りなどの無理な力がかからないように注意しながら挿入してください。 - STEP2治具で調整
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カップリングの左右ハブの同心を治具によって固定し、高精度に調整してください。
- STEP3簡易偏心、偏角の確認
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ボルトが緩んでいる状態でカップリングを軸方向にスライドさせ、スムーズに動くことを確認してください。(簡易偏心確認)
次に 、回転方向にカップリングを移動させスムーズに動くことを確認してください。(簡易偏角確認)
シングルタイプのカップリングは偏心を許容できないため確実に芯出しをしてください。- 簡易偏心確認
- 簡易偏角確認
- STEP4取り付け
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軸挿入量がカタログℓ寸法となるように調整し、トルクレンチを用いて所定のトルクで締結してください。
*一度に規定のトルクまで締め付けず、左右のクランプを交互に2、3回に分け締め付けてください。- 軸挿入量
- 【 軸挿入量について 】
- 【Dカット軸への取り付け】