製造現場のためのカップリング選定情報
技術情報
選定解説 -ディスク形・オルダム形・スリット形
以下ではサイズ・トルクから選ぶ方法での選定例を解説いたします。
【 前提条件 】
1. カップリングの種類を選ぶ
* 以下ではミスミ通常品よりもお求めやすい価格のミスミ製カップリングを例に解説いたします。
上記前提条件より求められるカップリング特性を導き出します。
・バックラッシゼロ
・偏心、偏角を許容
次に、良く使用されるモーターとカップリングの組み合わせ表からディスク形を選択します。
モーター | カップリング |
---|---|
サーボモーター | ディスク形 |
ステッピングモーター | スリット形 |
汎用モーター | オルダム形 |
偏心、偏角の吸収を考慮し、ダブルディスクタイプを選択します。
適合するカップリング種類 → GCPW(締結方法:クランプ) / GCPSW(締結方法:セットスクリュー)
4. 軸穴を選定する
GCPW39、GCPSW39で、軸穴径14mmと15mmが選択できるを確認します。
* カップリング規格表掲載値を参照してご確認ください。
軸穴径14mm、15mmとも、外形Dの仕様に属します。
適合するカップリング型式
→ GCPW39-14-15(締結方法:クランプ) / GCPSW39-14-15(締結方法:セットスクリュー)
2. カップリングに加わる補正トルクを計算する
【補正トルクの計算】
* 以下、カップリング規格表掲載値を参照してご確認ください。
補正トルク=モーター最大トルク(3.0N・m)×補正係数(2.0)=6.0N・m
許容トルクが6.0N・m以上の外径Dを選択します → GCPW39 / GCPSW39
※補正係数は一般的なサーボモーター使用時の参考値です。
選定の目安としてご使用下さい。
5. 軸穴締結方法を選択する
GCPW39-14-15(締結方法:クランプ) / GCPSW39-14-15(締結方法:セットスクリュー)
3. カップリング許容値を確認する
* 以下、カップリング規格表掲載値を参照してご確認ください。
モーター | カップリング | ||
---|---|---|---|
偏心 | 0.1mm | 許容偏心 | 0.25mm |
偏角 | 1° | 許容角度 | 2° |
エンドプレイ | 0.1mm | 許容エンドプレイ | ±0.5mm |
回転数 | 3000rpm | 許容回転数 | 10000rpm |
※GCPW39、GCPSW39ともに許容値は同一
→ GCPW39、GCPSW39共に条件に合致する
6.全体寸法が装置に合致しているか確認する
* カップリング規格表掲載値を参照してご確認ください
カップリング全長:49.6mm
* GCPW39-14-15、GCPSW39-14-15共に全長は同一
→ 前提条件全長60mm以下に合致する
最終的に選定された型式
→ GCPW39-14-15(締結方法:クランプ) / GCPSW39-14-15(締結方法:セットスクリュー)
選定・取り扱いポイント -ユニバーサルジョイント
以下では、ユニバーサルジョイント形カップリングの選定と取り扱いのポイントをご紹介いたします。
【選定ポイント】 ユニバーサルジョイント -キー溝・タップタイプ/セットピンタイプ 共通
1. 条件変数(計算式)
2. 回転数(r/min)
【取り扱いポイント】 ユニバーサルジョイント -セットピンタイプ
強力セットピン
1. 材質SCM415を浸炭焼入し研磨仕上(公差m6)しています。
2. 有効部分は右図のように段付で片ぎきになっています。
3. 相手軸のピン穴には多少の芯ズレがあっても差し支えありませんが、ピン穴はH8程度に仕上げてください。
リングスプリングの取り扱い方
1. 一旦セットしたリングスプリングを脱着すると、スプリング効果を失う事があります。
2. 図のような治具を用意すると、組み立て作業が容易になります。
3. ジョイント外周に掛けたままで長時間放置したり、ハンマーでたたいたりしないでください。