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おすすめのチラーはこれ!ミスミ厳選の10商品を紹介

おすすめのチラーはこれ!ミスミ厳選の10商品を紹介

機械を連続使用する現場や金属加工工場など、機器の温度を一定に保たなければならない場では、チラーという設備が必要です。
しかし、似たような製品が多く、設備導入にあたりどれを選べばよいのかがわからないご担当者様も多いのではないでしょうか。
 
そこで本記事では、ミスミが厳選したチラー10選を紹介したうえで、チラーの選び方もお伝えします。
現場への設備導入でお悩みのご担当者様は、ぜひ最後までご覧ください。

<目次>

  • チラーの使用用途

  • チラーとは

  •   ・循環液温調装置サーモチラー ラックマウント 単相AC100/115V・AC200~230V HRR
  •   ・循環液温調装置 サーモチラー ベーシックタイプ HRSEシリーズ
  •   ・循環液温調装置 サーモチラー スタンダードタイプ 単相AC200~230V HRSシリーズ
  •   ・循環液温調装置 サーモチラー スタンダードタイプ 空冷200V・400V仕様 HRS090シリーズ
  •   ・循環液温調装置 サーモチラー スタンダードタイプ 水冷200V・400V仕様 HRS090シリーズ
  •   ・循環液温調装置 サーモチラー インバータタイプ 空冷200V仕様 HRSHシリーズ
  •   ・循環液温調装置 サーモチラー インバータタイプ 水冷200V仕様 HRSHシリーズ
  •   ・循環液温調装置 サーモチラー インバータタイプ 水冷200V・400V仕様 HRSH090シリーズ
  •   ・循環液温調装置 サーモチラー 耐環境仕様 単相AC200~230V HRS-Rシリーズ
  •   ・循環液温調装置 サーモチラー レーザ用冷凍式デュアルタイプ HRLシリーズ
  • チラーの仕組み

  • チラーと冷凍機の違い

  • チラーの選び方

  •   ・循環水の温度を決める
  •   ・冷却方法【空冷・水冷】、設置場所【屋外・屋内】を決める
  •   ・冷却能力を決める
  •    ・必要冷却能力の求め方(計算式)
  •   ・配管抵抗を確認する
  •    ・配管抵抗の求め方(計算式)
  •   ・ポンプの能力を決める
  • 温度を一定に保つには、チラーが必須

  • その他おすすめ商品はこちら

チラーの使用用途

チラーは、なんらかの機械や装置を冷却し、温度を一定に保つために使うものです。
 
基本的に、機械は連続使用すると温度が上昇し、一定以上の高温になると、パフォーマンスが低下します。
最悪の場合は故障にもつながるので、機械を連続使用するのであれば適切に冷却し、温度を調節しなければならないのです。
 
具体的には、以下の用途でチラーが使われています。

チラーの具体的な用途

金属加工
  • ●加工の際の発熱を抑える
  • ●金型の温度を一定に保ち、生産不良率を下げる
プラスチック成形
  • ●成形物を冷却・固化する
印刷
  • ●印刷機のローラーを冷却して印刷の精度を高める
研究・測定
  • ●電子顕微鏡を冷却し、対象物の温度上昇を抑える
  • ●X線回折装置や赤外分光光度計など、精密機器の温度を調節する
食品加工
  • ●洗浄や材料に用いる水の温度を維持する
医療
  • ●MRIで使用するヘリウムガスの温度を維持する

上記を見るとわかるように、チラーは業界を問わずさまざまな現場で活躍しています。

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チラーとは

チラーは、工作機械をはじめとする対象物の温度を一定に保つための装置です。
 
チラーの内部では冷却水が循環しており、その冷熱によって、対象物の温度が一定に調節されます。
ちなみに、チラーは“冷却装置”と捉えられることが多いようですが、冷やすだけでなく加温したり、一定の温度に保温したり……といった目的で使われることもあります。

循環液温調装置サーモチラー ラックマウント 単相AC100/115V・AC200~230V HRR

循環液温調装置サーモチラー ラックマウント  単相AC100/115V・AC200~230V HRR

ラックマウントタイプのサーモチラーは、フロントアクセスでラックに設置したまま作業を行えます。前面から作業可能なため、設定、調整、メンテナンスが簡単でスムーズです。
また、19インチラックで縦に複数台搭載可能でスペースをとりません。

商品情報
メーカー SMC
型番
  • ●仕様による
使用用途
  • ●熱源の温度コントロール
冷却能力 1200W/1800W/2400W/3000W(60Hz)
温度範囲 循環液系:5℃~35℃
放熱水系:5℃~40℃
温度調節精度 ±0.1℃
水槽容量 約4L
電源 単相AC100/115V・AC200~230V
電源コード
最大揚程
570mm(19インチラック規格)
高さ 221mm~399mm
使用環境温度 5℃~40℃
運転制御方式 PID制御
使用液 清水、エチレングリコール15%水溶液
タイマー なし
機能
ねじの種類 Fの場合、Gねじ/Nの場合NPTねじ

循環液温調装置サーモチラー ラックマウント 単相AC100/115V・AC200~230V HRRの詳細はこちら

循環液温調装置 サーモチラー ベーシックタイプ HRSEシリーズ

循環液温調装置 サーモチラー ベーシックタイプ HRSEシリーズ

ベーシックタイプではシンプルな機能・性能で使いやすさを重視しています。
消費電力を33%低減するトリプルコントロールで省エネを実現しながらも、冷凍機、ファン、電子コントロールバルブを熱負荷に応じて制御します。
 
メンテナンスの必要がないマグネットポンプを採用し、管理面の負担を軽減しました。

商品情報
メーカー SMC
型番
  • ●仕様による
使用用途
  • ●熱源の温度コントロール
冷却能力 1200W, 1600W, 2200W
温度範囲 10℃~30℃
温度調節精度 ±2.0℃
水槽容量 約5L
電源 単相AC100V・200V・230V
電源コード 3m
最大揚程
377 mm±5mm
高さ 615 mm±5mm
使用環境温度 単相AC100V:5℃~35℃
単相AC200V,AC230V:5℃~40℃
運転制御方式 冷凍機ON/OFF
使用液 清水、エチレングリコール15%水溶液
タイマー なし
機能
ねじの種類

循環液温調装置 サーモチラー ベーシックタイプ HRSEシリーズの詳細はこちら

循環液温調装置 サーモチラー スタンダードタイプ 単相AC200~230V HRSシリーズ

循環液温調装置 サーモチラー スタンダードタイプ 単相AC200~230V HRSシリーズ

タンクの小型化を実現したサーモチラーで、空冷冷凍式と水冷冷凍式の2つのタイプがあります。
膨張弁と温度センサによる精密な温度制御方式のため、±0.1℃の高い温度安定性があります。
 
タンクの小型化を実現し、両サイド壁面密着設置も可能です。

商品情報
メーカー SMC
型番
  • ●仕様による
使用用途
  • ●熱源の温度コントロール
冷却能力 1,100W/1,300W(50/60Hz)
1,700W/1,900W(50/60Hz)
2,100W/2,400W(50/60Hz)
2,600W/3,200W(50/60Hz)
4,700W/5,100W(50/60Hz)
4,900W/5,900W(50/60Hz)
温度範囲 5℃~40℃
温度調節精度 ±0.1℃
水槽容量 約5L
電源 単相AC200~230V
電源コード
最大揚程 14m/19m、50m
377mm
高さ 660mm~976mm
使用環境温度 5℃~40℃
運転制御方式 PID制御
使用液 清水、エチレングリコール15%水溶液
タイマー あり
機能 タイマー運転機能
単位切替機能
停電復帰運転機能
凍結防止運転機能
キーロック機能
準備完了信号出力機能
ポンプの単独運転
ねじの種類 Fの場合、Gねじ/Nの場合NPTねじ

循環液温調装置 サーモチラー スタンダードタイプ 単相AC200~230V HRSシリーズの詳細はこちら

循環液温調装置 サーモチラー スタンダードタイプ 空冷200V・400V仕様 HRS090シリーズ

循環液温調装置 サーモチラー スタンダードタイプ 空冷200V・400V仕様 HRS090シリーズ

膨張弁と温度センサによる精密な温度制御方式で高い温度安定性を実現しています。
136kgのコンパクトな質量に加えて、工具レスでフィルタのメンテナンスで簡単にお手入れができます。
 
タイマー機能や単位切替機能などの便利な機能も多数搭載したモデルです。

商品情報
メーカー SMC
型番
  • ●仕様による
使用用途
  • ●熱源の温度コントロール
冷却能力 8000W/9000W(50/60Hz)
温度範囲 5℃~35℃
温度調節精度 ±0.5℃
水槽容量 18L
電源 三相AC200V・200~230V・380~415V
電源コード
最大揚程 50m
377mm
高さ 1080mm
使用環境温度 5℃~45℃
運転制御方式 PID制御
使用液 清水、エチレングリコール水溶液15%、脱イオン水(純水)
タイマー あり
機能 タイマー運転機能
単位切替機能
停電復帰運転機能
凍結防止運転機能
キーロック機能
準備完了信号出力機能
ポンプの単独運転
ねじの種類

循環液温調装置 サーモチラー スタンダードタイプ 空冷200V・400V仕様 HRS090シリーズの詳細はこちら

循環液温調装置 サーモチラー スタンダードタイプ 水冷200V・400V仕様 HRS090シリーズ

循環液温調装置 サーモチラー スタンダードタイプ 水冷200V・400V仕様 HRS090シリーズ

膨張弁と温度センサによる精密な温度制御方式を採用した水冷冷凍式のサーモチラーです。
高い温度安定性を持ちながら、小型化・軽量化を行った屋内仕様です。
 
大画面のデジタル表示かつシンプルな設定画面で操作性が抜群です。

商品情報
メーカー SMC
型番
  • ●仕様による
使用用途
  • ●熱源の温度コントロール
冷却能力 9000W/10500W(50/60Hz)
温度範囲 循環液系:5℃~35℃
放熱水系:5℃~40℃
温度調節精度 ±0.5℃
水槽容量 18L
電源 三相AC200V・200~230V・380~415V
電源コード
最大揚程 50m
377mm
高さ 1080mm
使用環境温度 5℃~45℃
運転制御方式 PID制御
使用液 清水、エチレングリコール水溶液15%、脱イオン水(純水)
タイマー あり
機能 タイマー運転機能
単位切替機能
停電復帰運転機能
凍結防止運転機能
キーロック機能
準備完了信号出力機能
ポンプの単独運転
ねじの種類

循環液温調装置 サーモチラー スタンダードタイプ 水冷200V・400V仕様 HRS090シリーズの詳細はこちら

循環液温調装置 サーモチラー インバータタイプ 空冷200V仕様 HRSHシリーズ

循環液温調装置 サーモチラー インバータタイプ 空冷200V仕様 HRSHシリーズ

屋外設置用のインバータタイプのサーモチラーです。
お客さま装置負荷に応じて自動でインバータ制御を行うトリプルインバータは、インバータなしと比べ消費電力を34%低減します。
 
循環液の外部もれがないため、ポンプの液もれ点検やポンプ取り外しの際の循環液の排出が不要です。

商品情報
メーカー SMC
型番
  • ●仕様による
使用用途
  • ●熱源の温度コントロール
冷却能力 10500W,15700W,20500W,2500W,2800W
温度範囲 +5℃~+35℃
温度調節精度 ±0.1℃
水槽容量 25L,42L,60L
電源 三相AC200V・200~230V
電源コード
最大揚程 50,80m
954mm~1035mm
高さ 1420mm~1720mm
使用環境温度 -20℃~+45℃
運転制御方式 PID制御
使用液 清水、エチレングリコール水溶液15~40%、脱イオン水(純水)
タイマー なし
機能
ねじの種類

循環液温調装置 サーモチラー インバータタイプ 空冷200V仕様 HRSHシリーズの詳細はこちら

循環液温調装置 サーモチラー インバータタイプ 水冷200V仕様 HRSHシリーズ

循環液温調装置 サーモチラー インバータタイプ 水冷200V仕様 HRSHシリーズ

トリプルインバータで抜群の省エネ効果がある水冷式で小型のサーモチラーです。
ポンプのメンテナンス工数を削減し、メンテナンス性が向上しました。
 
屋外設置に合わせた防沫形と静音設計で周囲環境への配慮にも安心です。

商品情報
メーカー SMC
型番
  • ●仕様による
使用用途
  • ●熱源の温度コントロール
冷却能力 11500W,15700W,20600W,24000W
温度範囲 循環液系:5℃~35℃
放熱液系:5℃~40℃
温度調節精度 ±0.1℃
水槽容量 25,42L
電源 三相AC200V・200~230V
電源コード
最大揚程 50m
687mm
高さ 1235mm
使用環境温度 2℃~45℃
運転制御方式 PID制御
使用液 清水、エチレングリコール水溶液15%、脱イオン水(純水)
タイマー なし
機能
ねじの種類

循環液温調装置 サーモチラー インバータタイプ 水冷200V仕様 HRSHシリーズの詳細はこちら

循環液温調装置 サーモチラー インバータタイプ 水冷200V・400V仕様 HRSH090シリーズ

循環液温調装置 サーモチラー インバータタイプ 水冷200V・400V仕様 HRSH090シリーズ

抜群の省エネ効果をもつトリプルインバータを採用したモデルです。
循環液の圧力調整とヒーターなしでの循環液の加熱が可能です。
 
グローバル電源に対応しているため、EU・アジア・オセアニア・北米・中南米でも使用できます。

商品情報
メーカー SMC
型番
  • ●仕様による
使用用途
  • ●熱源の温度コントロール
冷却能力 11000W
温度範囲 5℃~40℃
温度調節精度 ±0.1℃
水槽容量 18L
電源 三相AC200V・200~230V・380~415V
電源コード
最大揚程 50m
377mm
高さ 1080mm
使用環境温度 5℃~45℃
運転制御方式 PID制御
使用液 清水、エチレングリコール水溶液15%、脱イオン水(純水)
タイマー なし
機能
ねじの種類 Fの場合、Gねじ/Nの場合NPTねじ

循環液温調装置 サーモチラー インバータタイプ 水冷200V・400V仕様 HRSH090シリーズの詳細はこちら

循環液温調装置 サーモチラー 耐環境仕様 単相AC200~230V HRS-Rシリーズ

循環液温調装置 サーモチラー 耐環境仕様 単相AC200~230V HRS-Rシリーズ

粉塵・飛沫水環境への耐久性が高いモデルのサーモチラーです。
基板・電気部品を電装BOX内に収納しているため、保護等級はIP54を実現しています。
 
外装部は全面金属パネルを採用。オプションでステンレスパネルへの変更も可能です。

商品情報
メーカー SMC
型番
  • ●仕様による
使用用途
  • ●熱源の温度コントロール
冷却能力 1,700W/1,900W(50/60Hz)
2,500W/2,900W(50/60Hz)
4,500W/5,000W(50/60Hz)
温度範囲 5℃~40℃
温度調節精度 ±0.1℃
水槽容量 約5L
電源 単相AC200~230V
電源コード
最大揚程 14m/19m、50m
377mm
高さ 615mm~976mm
使用環境温度 5℃~45℃
運転制御方式 PID制御
使用液 清水、エチレングリコール15%水溶液
タイマー あり
機能 タイマー運転機能
単位切替機能
停電復帰運転機能
凍結防止運転機能
キーロック機能
準備完了信号出力機能
ポンプの単独運転
ねじの種類 Fの場合、Gねじ/Nの場合NPTねじ

循環液温調装置 サーモチラー 耐環境仕様 単相AC200~230V HRS-Rシリーズの詳細はこちら

循環液温調装置 サーモチラー レーザ用冷凍式デュアルタイプ HRLシリーズ

循環液温調装置 サーモチラー レーザ用冷凍式デュアルタイプ HRLシリーズ

1台のチラーで2系統を個別に温調可能で設置面積を22%削減。
スペース、配線、工数すべて1台分でOKです。
 
タッチパネルを採用し、設定・操作性と視認性を向上させ、2回線でも簡単に操作できます。

商品情報
メーカー SMC
型番
  • ●仕様による
使用用途
  • ●熱源の温度コントロール
冷却能力 CH1:9000W,19000W,26000W
CH2:1000W
温度範囲 CH1:5℃~35℃
CH2:10℃~40℃
温度調節精度 CH1:±0.1℃
CH2:±0.5℃
水槽容量 CH1:42,60L
CH2:7L
電源 三相AC200V・200~230V
電源コード
最大揚程 CH1:50,55,68m
CH2:49m
715mm~850mm
高さ 1538mm~1839mm
使用環境温度 2℃~45℃
運転制御方式 PID制御
使用液 CH1:清水
CH2:清水、脱イオン水(純水)
タイマー なし
機能
ねじの種類 Fの場合、Gねじ/Nの場合NPTねじ

循環液温調装置 サーモチラー レーザ用冷凍式デュアルタイプ HRLシリーズの詳細はこちら

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チラーの仕組み

チラーが対象物を冷却する仕組みは、実はとてもシンプルです。

チラーで対象物を冷却する仕組み

  1. 1.“循環水”とよばれる液体を内部で冷やす
  2. 2.冷たくなった循環水によって対象物を冷却する(熱交換)
  3. 3.熱交換によって温まった循環水をふたたび内部で冷却する

上記の工程を繰り返し、循環水を循環させ、対象物を永続的に冷却させます。
ちなみに、チラーには、外気を使う“空冷式”と水を使う“水冷式”がありますが、基本的な仕組みは変わりません。
 
そして空冷式と水冷式の違いは、上記1.および3.の工程で、循環水を冷やすのが外気か、あるいは水か?という点です。
空冷式の場合は、チラー内部にファンモーターが内蔵されており、このファンモーターによって外気を取り込み、循環水の排熱を行います。
対し、水冷式では冷却水を用いて循環水を排熱します。
ファンモーターがないため、空冷式のような騒音が気にならないのが大きな特長です。

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チラーと冷凍機の違い

チラーのように、対象物を冷却する機器としては冷凍機も挙げられますが、両者は仕組みが異なります。
 
まず、チラーでは冷却に際して循環水という液体を循環させるのに対し、冷凍機では冷風を作り出します。
この循環の有無が大きな違いです。
 
さらに、両者は目的および冷却能力も違います。
チラーの目的は、対象物の温度を一定に保つことなので、極端に低い温度に冷却することは基本的にありません。
一般的には、低くとも-10℃程度までです。
一方で冷凍機はその名の通り“冷凍”が目的なので、液体を固体に凍らせるほどの冷却能力があります。

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チラーの選び方

ここまでの内容で、チラーは、機器をはじめとする対象物の温度管理が必要な場面において、欠かせない設備であることがわかりました。
しかし、重要性の高い設備であるからこそ、どれを選ぶべきか迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。
そこで、以下では現場に最適なチラーを選ぶために押さえておきたいポイントをお伝えします。
 
本記事でご紹介した、おすすめのチラー一覧と照らし合わせながらご覧ください。

循環水の温度を決める

まずは、チラーで冷却する対象物の最適温度から、チラーで使う循環水の温度を決めます。
工作機械などの機器を冷却する場合は、機器ごとに“最適温度”とされるものがありますので、その最適温度に設定が可能なチラーを選びましょう。
 
機器の冷却以外の用途を想定している場合は、「どの程度まで冷やせばよいのか」を考えます。
たとえば、一般的な冷蔵庫でも対応できる範囲、あるいは保冷の用途を想定しているのであれば、そこまで大規模なものを選ばなくとも十分な可能性があります。
そうではなく、一定の基準以上の冷却性能を求めるのであれば、氷点下まで冷却できるチラーを選ぶとよいでしょう。

冷却方法【空冷・水冷】、設置場所【屋外・屋内】を決める

循環水の温度が決まったら、続いて冷却方法およびチラーの設置場所を決めます。
 
先述の通り、チラーには空冷式と水冷式が存在しますが、両者の違いは冷却方法だけではありません。
具体的には、以下の要素が異なります。

空冷式チラーと水冷式チラーの違い

冷却効率 冷却水 室内の排熱 設置スペース
空冷式 低い 不要 発生する 配管を設置するためのスペースが必要
水冷式 高い 必要 発生しない 比較的狭い空間でも設置できる

また、屋外・屋内どちらでの使用を想定しているのか? も明確にしましょう。
以下の条件をご参考ください。

チラーの設置場所の判断基準

屋外 屋内
向いている条件
  • ●屋内への排熱を避けたい
  • ●屋内に気流が発生するのを避けたい
  • ●チラーを設置するスペースが屋内にない
  • ●冷却水の供給設備が屋内にない
  • ●設備の近くでチラーを操作できるように配置したい
  • ●配管を短くしたい
  • ●設置工数を減らしてスムーズに導入したい

上記の条件を整理することで、導入すべきチラーの種類を絞り込むことができます。

冷却能力を決める

現場にとって必要なチラーの冷却能力を明確にすることは、チラーを選ぶにあたってもっとも重要な工程と言っても過言ではありません。
対象物から発せられる熱負荷に対し、十分な冷却能力のあるチラーを選ぶ必要があります。
そのためには、以下の計算式を用いて、チラーの必要冷却能力を算出しましょう。

必要冷却能力の求め方(計算式)

対象物を、何度の状態から何度にまで、どの程度の時間で冷却したいのか? を明確にしたうえで、まず以下の数式で負荷容量(Q)を算出します。

Q=Vs×Cs×γs×(Tb-Ta)t

  • ●Q:負荷容量(kW)
  • ●t:対象物の冷却に必要な時間(sec)
  • ●Vs : 対象物の体積(m³)
  • ●Cs : 対象物の比熱(KJ/g・℃)
  • ●γs : 対象物の密度(g/cm³) ※水の場合は1
  • ●Tb : 対象物の冷却前の温度(℃)
  • ●Ta : 対象物の冷却後の温度(℃)

上記の数式によってQの数値が明確になったら、それに20%の安全率を見込んで、1.2を掛けます。
そうすると負荷容量の数値が明確になるので、その数値よりも大きな冷却能力をもつチラーを選定しましょう。

配管抵抗を確認する

続いて、チラーを設置した場合の配管抵抗を求めます。
チラーのスペックよりも抵抗が大きくなると、水の循環量が減少し、それに伴い冷却能力も落ちてしまうためです。
製品によっては安全装置が作動して、チラーの動作が止まってしまう可能性もあるので、あらかじめ配管抵抗を確認のうえ、それに対応した製品を選びましょう。

配管抵抗の求め方(計算式)

チラーの配管抵抗は、以下の計算式で求められます。

Hm=ha+hv+hf+kt<HL

  • ●Hm:配管抵抗
  • ●ha:水面からクーラーまでの高低差(m)
  • ●hv:吐出口から出る水の抵抗(m)※通常は0.5~0.8
  • ●hf:管内の水の抵抗(m)
  • ●ht:曲管部分の抵抗(m)
  • ●HL:限界揚程

ポンプの能力を決める

最後に、以下の手順に沿って必要なポンプの能力(揚程)を求めます。

チラーのポンプ能力の求め方

  1. 1.チラーから装置までの配管の長さ(配管長)を求める
  2. 2.継手の抵抗を直管の長さに変換し、1.に加える
  3. 3.循環水の流量と配管径から“損失水頭”を算出し、2.にかける
  4. 4.チラーから装置までの高さを3.に加え、揚程を求める

2.について、90°の継手を使う場合の直管相当長を以下にまとめました。
メーカー・製品ごとに詳細は異なりますので、あくまでも目安としてご参考ください。

90°の継手の直管相当長早見表

継手の形状 管径 ※上段:B・下段:A(mm)
1.6 2.0 2.3 2.6 2.9
0.5 0.6 0.7 0.9 1.1
ショートエルボ ねじ 1.6 2.0 2.3 2.6 2.9
フランジ 0.5 0.6 0.7 0.9 1.1
ロングエルボ ねじ 0.8 1.0 1.0 1.1 1.1
フランジ 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9

上記手順をもとに、想定されているシチュエーションでの揚程を求めましょう。
この条件を満たすチラーを選べば基本的には問題ありません。

温度を一定に保つには、チラーが必須

今回は、ミスミがおすすめするチラーを紹介するとともに、最適なチラーの選び方をお伝えしました。
 
チラーの最大の特長は、水を循環させることにより温度を一定に保つことができるという点です。
工作機械の温度上昇の防止をはじめ、機器などの冷却が必要な現場には、チラーをご導入ください。
設置するチラーの種類を明確にしたうえで、必要な数値を算出すれば導入すべきチラーの機種を絞り込むことができます。