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人気のボールベアリング11選!選ぶ際のポイントも解説

人気のボールベアリング11選!選ぶ際のポイントも解説

回転機構のある機械を製造するにあたって、もっとも重要な部品といえるのが、ボールベアリングです。
機械の性能の根幹を担うこともあるため、各社の製品をしっかりと比較したうえで、最適なものを選びたいところです。
 
本記事では、人気のボールベアリング11選をお伝えするとともに、製品を選ぶ際のポイントを解説していきます。
「要望に合ったものが見つからない……」とお悩みであれば、ぜひご覧ください。

<目次>

ボールベアリングの使用用途

ボールベアリングは、回転機構のある機械全般で必須の部品で、分野を問わず、さまざまな場面で使用されています。
特に代表的な使用場面としては、以下が挙げられます。

ボールベアリングの使用用途

  • マシニングセンターなどの工作機械
  • 発電機
  • 鉄鋼業で用いられる圧延ロール
  • 自動車のエンジンやトランスミッション

マシニングセンターは、穴開けやねじ立てといった切削加工を1台でカバーできる、工作機械を代表する装置です。
回転軸に切削工具を取り付けて使用する都合上、ボールベアリングの性能の高さが装置そのものの性能に直結します。
 
ほかにも、工作機械だけではなく、発電機内部の主軸や鉄鋼を加工する圧延ロールなどにも、ボールベアリングは欠かせません。
また街中を走る自動車にも、エンジンやトランスミッション、タイヤの中心部分などに、合計100~150個ほどのボールベアリングが使用されています。
 
現代社会において、ボールベアリングの恩恵を受けずに生きることは、不可能といっても過言ではないでしょう。

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ボールベアリングとは

工作機械全般や発電機、自動車、また家電など、動く機械には必ず回転する軸が存在します。
その軸の回転をサポートするための部品が、ボールベアリングです。
 
ボールベアリングは、外側から外輪・保持器・ボール・内輪の順番で構成された円形の部品です。
外輪と内輪のあいだにあるボールが転がることで摩擦を低減し、軸の滑らかな回転をサポートします。
 
なお、ボールベアリングは高速回転体の軸受として最適であるものの、荷重が比較的軽い場合にしか適していません。
大きな荷重が発生する場合には、ローラー状の転動体(※)である“ころ”を用いた、ローラーベアリングを使う必要があります。
ころはその形状のおかげでボールよりも接触面積を広くもてるため、より大きな荷重を支えることが可能です。
この点は非常に大きな違いであるため、ボールベアリングを導入する前に、想定する用途が適切であるかどうかを確認しておきましょう。
 
※ベアリングの内部を転がるボールやころの総称

ラジアル玉軸受とは

ボールベアリングを機械に組み込む際は、作用する荷重の方向を考慮する必要があります。
荷重の方向が違えば、使用すべきボールベアリングの種類も変わるためです。
 
ラジアル荷重(回転軸に対して垂直な荷重)がかかる場合には、ラジアル玉軸受とよばれるボールベアリングが適しています。
このラジアル玉軸受はさらにいくつかの種類に分類され、それぞれ異なる特長をもちます。
代表的なものを以下に整理しました。

ラジアル玉軸受の種類と特長

種類 特長
深溝玉軸受
  • ●外輪と内輪のあいだにある深い溝にボールが並べられている
  • ●低騒音・低振動で、作動音があまり出ない
アンギュラ玉軸受
  • ●ラジアル荷重だけではなく、スラスト荷重にも対応する
  • ●高速回転・高精度回転の両立が必要な場合に適している
自動調心玉軸受
  • ●ボールが2列で並んでおり、軸が傾いた状態でも回転できる
  • ●軸がたわみやすい伝道軸などでの利用が適している

深溝玉軸受は、もっとも多く使用されている汎用的なボールベアリングです。
回転時の騒音や振動が少ないのが利点で、OA機器や計器類など、静音性が求められる機械で主に使われます。
 
そのほか、スラスト荷重にも対応する必要があるならアンギュラ玉軸受が、回転軸が曲がる場合には自動調心玉軸受がそれぞれ適しています。

深溝玉軸受

深溝玉軸受

内輪・外輪とも軌道は円弧状の深い溝になっている深溝玉軸受です。
ラジアル荷重、両方向のアキシアル荷重、又はそれらの組み合わせである合成荷重を受けることが可能です。
 
高速回転に最適。そのほか開放形、グリ−スを封入した密封形玉軸受(両シール又は両シールド軸受)、止め輪付き軸受なども用意しました。

商品情報
メーカー NTN
シリーズ名 なし
型番 仕様による
使用用途
  • ●摩擦トルクが小さく、高速回転する部分や低騒音・低振動が要求されるあらゆる用途に使用可能
材質 スチール
JIS等級
内径 22φ~55φ
外径 44φ~90φ
レース幅 7mm~20mm
ボールベアリングタイプ 深溝玉軸受
シールド形状 両シールド形/開放型/ゴムシール形
荷重方向 ラジアル
外輪タイプ フラット/U溝付
軌道輪形状
軌道輪列数 単列
転動体材質 スチール
動定格荷重 9400N
静定格荷重
レビュー(☆) 4.7

深溝玉軸受の詳細はこちら

単列深溝玉軸受(開放形/シール形/シールド形)

単列深溝玉軸受(開放形/シール形/シールド形)

深溝玉軸受は、摩擦トルクが小さく、高速回転する部分や低騒音・低振動が要求される用途に最も適しています。
単列深溝玉軸受は、ベアリング(転がり軸受)の中で最も代表的な形式です。

商品情報
メーカー NSK
シリーズ名 なし
型番 仕様による
使用用途
  • ●深溝玉軸受は、摩擦トルクが小さく、高速回転する部分や低騒音・低振動が要求される用途に最も適しています
材質 スチール/ステンレス
JIS等級
内径 10φ~240φ
外径 19φ~500φ
レース幅 5mm~49mm
ボールベアリングタイプ
シールド形状 両シールド形/開放型/ゴムシール形
荷重方向 ラジアル
外輪タイプ 外輪付き
軌道輪形状
軌道輪列数 単列
転動体材質 スチール/ステンレス
動定格荷重 1720N~470000N
静定格荷重 840N~625000N
レビュー(☆) 4.7

単列深溝玉軸受(開放形/シール形/シールド形)の詳細はこちら

ミニチュア玉軸受・小径玉軸受

ミニチュア玉軸受・小径玉軸受

軸受外径が9mm未満、軸受内径が10mm未満で軸受外径が9mm以上の小径玉軸受です。
小径サイズが揃っているため、高速回転に最適。開放形、グリ−スを封入した密封形玉軸受(両シ−ル又は両シ−ルド軸受)、止め輪付き軸受を用意しました。

商品情報
メーカー NTN
シリーズ名 なし
型番 仕様による
使用用途
  • ●摩擦トルクが小さく、高速回転する部分や低騒音・低振動が要求されるあらゆる用途に使用可能
材質 スチール/ステンレス
JIS等級 等級0
内径 3φ~9φ
外径 10φ~24φ
レース幅 2mm~8mm
ボールベアリングタイプ
シールド形状 開放形/片シールド/両シールド/ゴムシール形
荷重方向 ラジアル/スラスト
外輪タイプ フラット
軌道輪形状
軌道輪列数 単列
転動体材質 スチール/ステンレス/クロム
動定格荷重 465N~640000N
静定格荷重
レビュー(☆) 4.5

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単列・複列アンギュラ玉軸受

単列・複列アンギュラ玉軸受

ラジアル荷重と1方向・2方向のアキシアル荷重を同時に支持することができる玉軸受です。
15度、25度、30度、40度の接触角タイプがあります。
 
またポリアミド樹脂、鋼板、銅合金の各種保持器もご用意しました。

商品情報
メーカー NSK
シリーズ名 なし
型番 仕様による
使用用途
  • ●ラジアル荷重の他にアキシアル荷重がかかる油圧ポンプ、縦型ポンプ、軸の回転精度の向上や剛性アップが求められる工作機械の主軸、研削スピンドル、自動車のエアコン用電磁クラッチなどに利用可能
材質 スチール/ステンレス
JIS等級 等級0~等級5
内径 10φ~200φ
外径 26φ~260φ
レース幅 6mm~80mm
ボールベアリングタイプ
シールド形状 開放型/両シールド形
荷重方向 ラジアル
外輪タイプ フラット
軌道輪形状
軌道輪列数 単列/複列
転動体材質 セラミック/スチール
動定格荷重 2030N~430000N
静定格荷重 3900N~113000N
レビュー(☆) 4.9

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小径玉軸受(開放型・両シールド形・ゴムシール形)

小径玉軸受(開放型・両シールド形・ゴムシール形)

高品質で内輪・外輪・玉・保持器・シールで構成のラジアル玉軸受。小径専門メーカーによる、高品質な小径玉軸受です。 Φ2(内径2mm)から選べます。
フランジ付きは外輪の片側につばをもった深溝玉軸受で、ハウジング内径に肩を設ける必要がないので、精度の高い通し穴加工が可能です。

商品情報
メーカー NSKマイクロプレシジョン(ISC)
シリーズ名 なし
型番 仕様による
使用用途
  • ●摩擦トルクが小さく、高速回転をする箇所や低騒音・低振動が要求される用途に最も適している
材質 ステンレス/スチール
JIS等級 等級0
内径 1φ~10φ
外径 3φ~19φ
レース幅 1mm~6mm
ボールベアリングタイプ
シールド形状 開放型/両シールド形
荷重方向 ラジアル
外輪タイプ フラット/フランジ付き
軌道輪形状
軌道輪列数 単列
転動体材質 スチール/ステンレス
動定格荷重 68N~2340N
静定格荷重 26N~885N
レビュー(☆) 4.7

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SSシリーズ SUS440Cステンレスベアリング

SSシリーズ SUS440Cステンレスベアリング

耐薬品性に優れ、錆・腐食・高温に強いSUS440Cステンレスベアリングです。
 
6800・6900・6000・6200・6300シリーズ・止め輪付きタイプをラインアップしました。
一般軸受材料よりも高温環境下で使用可能。
使用温度範囲は約50℃高くなりました。

商品情報
メーカー 南海精工所(SMT)
シリーズ名 SSシリーズ
型番 仕様による
使用用途
  • ●食品機械、洗浄装置、水環境搬送装置、その他高温多湿環境での仕様に最適
材質 ステンレス
JIS等級 等級0
内径 10φ~60φ
外径 19φ~110φ
レース幅 5mm~27mm
ボールベアリングタイプ
シールド形状 開放型/両シールド形/ゴムシール形/片シールド形
荷重方向 ラジアル荷重
外輪タイプ フラット/止め輪溝付
軌道輪形状 ボール
軌道輪列数 単列
転動体材質 ステンレス/SUJ2
動定格荷重 1920N~62000N
静定格荷重 1970N~38200N
レビュー(☆) 4.6

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ラジアル深溝玉軸受 (メートルサイズ)

ラジアル深溝玉軸受 (メートルサイズ)

最も一般的な軸受で、種々の分野で幅広く使われている定番品です。
軸受には、内部にグリースを封入し使いやすくしました。
 
外輪取付け時の位置決定を考慮した止め輪付き軸受、ハウジングの温度による軸受はめあい面の寸法変化を吸収する膨張補正軸受、潤滑油中のごみに強いTAB軸受など、種々の軸受があります。

商品情報
メーカー ミネベアミツミ
シリーズ名 なし
型番 仕様による
使用用途
材質 ステンレス/SUJ2
JIS等級 等級0
内径 1φ~10φ
外径 3φ~26φ
レース幅 1mm~8mm
ボールベアリングタイプ
シールド形状 開放形/両シールド形
荷重方向 ラジアル
外輪タイプ フラット
軌道輪形状
軌道輪列数 単列
転動体材質 ステンレス/SUJ2
動定格荷重
静定格荷重
レビュー(☆) 4.7

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深溝玉軸受 スチール/ステンレス

深溝玉軸受 スチール/ステンレス

KMT製の深溝玉軸受です。
 
両シールド形とゴムシール形がございます。
深溝玉軸受は、広い寸法範囲をカバーでき、転がり軸受の中でも最も多く使用されている形式です。
 
ラジアル荷重と両方向のある程度のアキシアル荷重を同時に受けることができます。
高速回転・低騒音・低振動の用途に適しています。

商品情報
メーカー KMT ベアリング
シリーズ名 なし
型番 仕様による
使用用途
材質 スチール:SUJ2(相当)/ステンレス:SUS440C(相当)
JIS等級 等級0
内径 10φ~50φ
外径 15φ~110φ
レース幅 4mm~27mm
ボールベアリングタイプ 深溝玉軸受
シールド形状 ゴムシール形/両シールド形
荷重方向 ラジアル
外輪タイプ フラット/止め輪溝付
軌道輪形状
軌道輪列数 単列
転動体材質 スチール/ステンレス
動定格荷重 855N~62000N
静定格荷重 1960N~38500N
レビュー(☆) 4.8

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ミニチュアスラストアンギュラ玉軸受(クロクシー)

ミニチュアスラストアンギュラ玉軸受(クロクシー)

業界初、JIS 規格の69シリーズをアンギュラ化、ボールネジ支持部のサイズダウンを実現しました。
さらに従来の深溝玉軸受と比べ約3倍の高剛性も実現しています。
またラジアル荷重と一方向のアキシアル荷重を負荷することができるミニチュア軸受。
 
アキシアル負荷能力が高く、負荷を受ける側の内輪および外輪の溝は深いのが特長です。

商品情報
メーカー NSKマイクロプレシジョン(ISC)
シリーズ名 69シリーズ
型番 仕様による
使用用途 ●ボールねじ支持用に適する
材質
  • 高炭素クロム軸受鋼 SUJ2
  • ステンレス鋼 ES-1
JIS等級 等級5
内径 2φ~8φ
外径 6φ~19φ
レース幅 3φ~13.64φ
ボールベアリングタイプ
シールド形状 両シールド形
荷重方向 ラジアル
外輪タイプ フラット
軌道輪形状 アンギュラ玉(単列)
軌道輪列数 単列
転動体材質 ステンレス/スチール
動定格荷重 470N~4000N
静定格荷重 360N~4350N
レビュー(☆) 5.0

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アンギュラ玉軸受

アンギュラ玉軸受

ある程度のアキシアル(軸方向)荷重を受けることができるアンギュラ玉軸受です。
特長として玉と内輪・外輪との接触点を結ぶ直線がラジアル方向に対してある角度をもっています。
ラジアル荷重と一方向のアキシアル荷重を負荷可能です。またラジアル荷重が作用するとアキシアル分力が生じるので一般に2個対向させて用いられます。

商品情報
メーカー NTN
シリーズ名 アンギュラ玉軸受
型番 仕様による
使用用途 ●工作機械、送りねじ機構、ボールねじサポートユニットなどに最適
材質 スチール
JIS等級 等級0
内径 10φ~160φ
外径 26φ~280φ
レース幅 8mm~58mm
ボールベアリングタイプ
シールド形状 開放型
荷重方向 ラジアル/スラスト
外輪タイプ フラット
軌道輪形状 アンギュラ玉(単列)/アンギュラ玉(複列)
軌道輪列数 単列/複列
転動体材質 スチール
動定格荷重 5000N~310000N
静定格荷重
レビュー(☆) 4.8

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スラスト玉軸受とは

スラスト荷重、つまり回転軸と同じ方向に荷重がかかる状況では、スラスト玉軸受を使うのが最適です。
スラスト玉軸受が活きる用途としては、自動車のトランスミッションやパラボラアンテナの台座などが挙げられます。
 
なお、スラスト玉軸受にも2種類が存在し、それぞれ以下の特長を有しています。

スラスト玉軸受の種類と特長

種類 特長
スラスト玉軸受
  • ●一般的なスラスト玉軸受
  • ●ラジアル玉軸受とともに、重量のある回転体に組み込まれる場合もある
ピボット玉軸受
  • ●先端が円すい形状の回転軸を、外輪と数個のボールで支える構造となっている
  • ●回転軸とボールが接触する回転半径が小さく、摩擦が少ないため、高速回転体や精密機械の軸に使われている

どちらのタイプも対応しているのはスラスト荷重のみで、ラジアル荷重は受けることができません。
この点は、スラスト荷重にもある程度対応していた、ラジアル玉軸受とは異なります。

単式スラスト玉軸受(内径10~360mm)

単式スラスト玉軸受(内径10~360mm)

球面調心座形タイプと調心座金つきタイプの選択が可能で、単式、複式のいずれの場合も、取り付けが簡単です。
スラスト玉軸受を平面座形と調心座形に分けたため、耐久性がアップしました。

商品情報
メーカー NSK
シリーズ名 なし
型番 仕様による
使用用途 ●自動車関連、一般産業機器に利用可能
材質 スチール
JIS等級 等級0
内径 10φ~360φ
外径 24φ~500φ
レース幅 9mm~112mm
ボールベアリングタイプ
シールド形状 開放型
荷重方向 スラスト
外輪タイプ フラット
軌道輪形状 スラスト玉
軌道輪列数 単列
転動体材質 スチール
動定格荷重 10100N~705000N
静定格荷重 14000N~620000N
レビュー(☆) 4.4

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ボールベアリングの仕組み

ここで改めて、ボールベアリングが回転軸をサポートする仕組みを確認しておきましょう。
 
先述した通り、ボールベアリングは外輪・保持器・ボール・内輪の4つの部品で構成されます。
それぞれの役割は以下の通りです。

ボールベアリングを構成する部品の役割

部品 役割
外輪
  • ●最外層にあるリング状のパーツで、ボールベアリングとハウジング(※)を接続する
  • ●内輪と合わせて軌道輪、あるいは軌道盤ともよばれ、ボールの転がる空間を構成している
保持器
  • ●ボール同士の間隔を保ち、正常な回転をサポートする
ボール
  • ●外輪と内輪のあいだに複数個存在する
  • ●軸の回転時に転がることで、滑らかな回転を実現する
内輪
  • ●内部にあるリング状のパーツで、ボールベアリングと回転軸を接続する

※ボールベアリングが機械に組み込まれる際に、外輪と接触する部品

内輪にはめ込まれた軸が回転すると、外輪と内輪のあいだにあるボールも転がります。
このボールの転がりによって摩擦を低減し、滑らかな回転を実現するというのが、ボールベアリングの仕組みです。
 
また、ボールのスムーズな回転を実現するためには、上記の部品のほかに潤滑剤も欠かせません。
潤滑剤はボールベアリングの回転時に生じる熱を取り去り、製品の寿命を延ばす役割も担っているので、非常に重要な“部品”だといえます。

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ボールベアリングのメリット

ボールベアリングを使うことによる最大のメリットは、回転軸とほかの部品のあいだの摩擦を減らせる点にあります。
 
ボールベアリングなしで軸を回転させると、外側の部品とのあいだに強い摩擦が生じ、エネルギーロスが発生します。
一方、ボールはほかの部品と接触する面積が少なく、転がる際にも大きな摩擦が発生しません。
そのため、少ないエネルギーで効率よく軸を回転させられるわけです。
これは軸の高速回転を実現するのみならず、部品の長寿命化や機械全体の省エネ化にもつながります。

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ボールベアリングの選び方

最後に、ボールベアリングを選ぶ際に重要となる、6つのポイントを紹介します。

かかる荷重の大きさ

使用時にかかる荷重の大きさは、ボールベアリングを選ぶうえで重要なポイントの一つです。
 
ボールベアリングには、その製品が支えられる荷重の上限値である、“許容荷重”が設定されています。
実際の荷重がこの値を超えてしまうと、破損する可能性が高まってしまうため非常に危険です。
 
機械本体の安全性を確保するためにも、許容荷重は必ず確認し、想定する用途での使用に耐えうるか否かをチェックしてください。

かかる荷重の方向

ボールベアリングの大きさだけではなく、荷重の方向も重視したいポイントです。
 
たとえば、ラジアル荷重がかかることがわかれば、その時点でスラスト玉軸受の製品は候補から外れます。
また、ラジアル荷重とスラスト荷重の両方がかかるなら、ラジアル玉軸受のなかでも、深溝玉軸受ではなくアンギュラ玉軸受が選択肢に挙がります。
 
あるいは、ラジアル玉軸受とスラスト玉軸受を併用するのも一つの手です。
その場合は複数のボールベアリングを使うことになるので、各製品の配置まで検討する必要があります。
 
このように、荷重の方向が定まれば、最適なボールベアリングの種類だけではなく、その配置まで決められます。

取り付け可能なスペースの広さ

機械内の空きスペースの広さがわかれば、取り付け可能なボールベアリングの寸法も定まります。
 
なお製品を選定する際は、外径と内径の両方を必ず確認しましょう。
外径寸法が同じボールベアリングでも内径寸法が同じとは限らず、またその反対も起こりうるためです。

使用時に生じる回転数

組み込む機械の使用時に生じる回転数次第で、採用すべきボールベアリングも変わります。
なぜならボールベアリングでは、許容回転数とよばれる、回転数についての上限値も製品ごとに定められているからです。
 
実際の回転数がこの値を上回ってしまうと、ボールベアリングが異常発熱を起こし、製品寿命を大きく縮めてしまいかねません。
ですので、想定される回転数を事前に把握したうえで、許容回転数に余裕のある製品を選ぶ必要があります。

求める精度の高さ

ボールベアリングの回転精度や寸法精度は、JIS規格によって評価の低い順に、0級・6級・5級・4級・2級の5段階で分けられています。
使用用途で高い回転精度が求められるのであれば、5級以上のボールベアリングを選ぶのが適当でしょう。
また、回転精度が良好なら無駄な摩擦も減るため、製品寿命も長くなります。

使用時の環境

ボールベアリングが実際に使われる環境次第で、候補となる製品も自然と絞られます。
 
大量の粉じんが出る環境や水中などでは、内部にゴミや水分が入ってこないように、“シールド”とよばれる機構を備えたボールベアリングを選びましょう。
錆びてしまうのを防ぐために、ステンレス素材の製品を選ぶのもおすすめです。
 
このほかにも、周辺温度や腐食の可能性など、考慮すべき要素は数多くあります。
製品ごとに適した環境はまったく異なるので、この点も入念に確認しておくことが大切です。

ボールベアリングには多種多様な種類があり、適した使用用途も異なる

今回は、ボールベアリングの人気製品11選を、種類ごとに分けて紹介しました。
 
回転機構の実現に欠かせないボールベアリングには、深溝玉軸受やアンギュラ玉軸受など、さまざまな種類が存在します。
それぞれ違った特長をもっており適した使用用途も異なるため、しっかりと比較したうえで選ぶことが大切です。
その際は、最後にご紹介した6つのポイントを改めてご確認ください。

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