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ミスミコンベヤ選定情報 商品情報からメンテナンスまで幅広くご紹介

プロが教える!コンベヤ選定方法 【モータ・ギヤヘッド・インバータ】 Vol.3-B ミスミコンベヤは止めたり動かしたり制御できるの?

こんにちは、ミスミコンベヤチーム お客さまご相談センターの中村です。
コンベヤチームスタッフによるコンベヤの紹介と選び方を気楽にわかりやすく、紹介します。

いきなりですが、コンベヤの購入を検討されているお客さまより、時々以下のようなお問い合わせを受けることがあります。

搬送物が所定の位置に来たら止めて、
作業後にコンベヤを動かしたいんだけど、なにか問題があるかな?

ミスミコンベヤは基本的には連続運転を想定して作られています。
ですので「動かす・止める」という繰り返しは基本的には得意ではないのです。

たとえば・・・
動作時間が約10秒、停止時間が約10秒程度の繰り返しならば特に問題はありません。

しかし・・・
・それより動作時間・停止時間が短いときに、モータやコンベヤに負荷がかかって寿命に影響する恐れがあります。
・停止時の位置は、安定せず、ばらついてしまう恐れがあります。
・停止位置はベルトのクセの影響で少し前に進んだり、戻ったりすることも時々あります。

このようにコンベヤは基本的には連続運転を得意としているので、搬送物はコンベヤの先にホッパで受けたり次のコンベヤに引き継ぐことがベターです。

でもやっぱり装置に組み込む都合上、
止めたり動かしたりを繰り返したいんだよなー・・・

しかし、上記のようにお客さまのコンベヤに対する要望はさまざまです。
今回は停止位置を安定させる方法について検討していきましょう。以下に具体的な方法を述べています。

① ただ単に精度よく停止させるには
インダクションモータ

電磁ブレーキ

・モータ軸換算で、約2~3回転で停止します
・実際にはギヤヘッドが付きますので
たとえば、減速比30ならばSVKAでは約1mm程度のオーバーランで停止します

ただし、この停止方法ではいきなり停止してしまいます。
搬送速度が速い(減速比が小さい)場合、搬送物がベルトから滑ったり、背の高い搬送物は転倒などの問題が生じるかも知れません

② いきなり停止させないためには
インバータ

電磁ブレーキ

・インバータで速度をスローダウン(※1)させて電磁ブレーキで停止させます
・スローダウンさせてからの停止なので、搬送物にやさしい搬送になります

インバータについては「Vol.4-B ミスミコンベヤをゆっくりスタートさせたい、ゆっくり停止したい時は?」で詳しく説明していきます。

③ ソフトストップ(※2)で精度よく停止させるためには
ステッピングモータ
or
サーボモータ

・どちらも停止精度自体は非常に高性能(モータ軸での誤差±0.03~0.05°程度)
⇒ですが・・・制御方式に大きな違いがあります

※1 スローダウン:速度を落とすこと
※2 ソフトストップ:速度を落としてから停止すること

ステッピングモータとサーボモータの違い

2つのモータは、どちらとも停止中であってもモータによる保持力が働いておりますが、停止位置がずれた時に決定的な違いがあります。

ステッピングモータ サーボモータ
制御方式 オープンループ方式
(モータにエンコーダ無・フィードバック無)
クローズドループ方式
(モータにエンコーダ有・フィードバック有)
位置ずれ 認識できない
⇒何かしらの要因で位置ずれしても検知できない。
認識できる
⇒エンコーダにより位置の監視を行えるため異常を検知することができる
トルク 低速域のトルクは大きいが高速域になるとトルクが減少する 低速域~高速域まで安定してトルクが発生する

上記より、高速で使用する場合はサーボモータのほうが向いているでしょう。

図1 ステッピングモータユニットの例

図2 サーボモータユニットの例

では、コンベヤにはステッピングモータとサーボモータのどちらが向いているのでしょうか?

一概には言えませんが、1回あたりの移動量位置決め時間も短い場合、ステッピングモータのほうが良いでしょう。
なぜなら・・・
ベルト・プーリ機構は、ベルトが伸びたり縮んだりするので、
ベルトコンベヤのような剛性が低い機構は、負荷慣性モーメント(※3)が不安定になりやすい(位置が決まりにくく静止するまでに時間がかかる)のです。

そのため、サーボモータのように応答性を上げても実際の搬送物は、ベルトの伸び縮みで静止するまでに時間がかかります。
逆に、1回あたりの移動量が多い場合のコンベヤや剛性の高いボールネジ機構の場合は、サーボモータのほうが向いているでしょう。

図3 ベルト・プーリ機構

図4 ボールねじ機構

※3 負荷慣性モーメント:負荷の慣性モーメントのこと。慣性モーメントとは回転のしにくさの程度を表す。

(i)ご注意ください

ミスミコンベヤではインダクションモータとスピードコントロールモータのみ取り扱っております。
DCブラシレスモータ(一部を除く)やステッピングモータ、サーボモータの取り扱いはございません。
また、改造の依頼もお受けしておりません。
部材の手配や改造についてはお客さまご自身での対応になります。
ただし、モータ選定のご相談は受け付けておりますので、気楽にご相談してください。

今回は
少し難しい話になってしまいましたが、
モータの選定に役立ててくださいね!


他にも気になることがある方は・・・
コンベヤのメンテナンス頻度はどれくらいなんだろう
電源オンオフによる間欠運転はできるのかな?
コンベヤ本体の耐熱温度は何℃?

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