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ロボット導入支援サービス

産業用ロボットの種類(垂直多関節/スカラ/協働など)ごとにメリット・デメリットをご紹介します

<解説>
ロボットの定義や種類を解説します。

定義画像

ロボットの定義

ロボットの定義はさまざまありますが、経済産業省では「センサー、知能・制御系、駆動系の3つの要素技術を有する、知能化した機械システム」と定義しています。ロボットを人間に置き換えるとセンサーは五感、知能・制御系は脳、駆動系は手足に相当します。特に最近はAIの導入で脳にあたる部分が急速に進化しています。ロボットは大きく分けると「産業用ロボット」と「サービスロボット」の2種類に分けられます。産業の自動化に使うものが「産業用ロボット」、日常生活の支援などに使うものが「サービスロボット」と呼ばれています。

産業用ロボットの種類と特徴

産業用ロボットは汎用性が高く、1台のロボットでワークの投入・溶接・検査・取り出しなど多工程に対応できることが特徴です。
また、従来の産業用ロボットは、溶接などの単純作業が中心でしたが、産業用ロボットの技術革新やビジョンシステムの進化、センサなどの活用により、熟練度が必要な作業もロボットで対応できるようになりました。

垂直多関節ロボット

【特徴】
垂直多関節ロボットとは、産業用ロボットの中で人間の腕に近い構造をしているロボットです。垂直多関節ロボットには「リンク」と「ジョイント」と呼ばれる部分があります。人間の腕でいえばリンクは骨、ジョイントは関節にあたります。つながっている関節を一つずつ動かしていく「シリアルリンクメカニズム」という機構になっています。
軸数は5軸、6軸が一般的ですが、近年では7軸も市販されています。7軸あると人間の腕に一番近く動けると言われています。動きの自由度は高く、回り込む動作もできます。

【用途】
垂直多関節ロボットは先端に「エンドエフェクタ」と呼ばれる機器を取り付け使用します。作業用途別にエンドエフェクタを交換することで、搬送から溶接や塗装、組立、検査まで幅広い作業工程で作業を行うことができます。

垂直多関節ロボット

メリット

・軸が多いため可動範囲の自由度が高い
・汎用性が高く搬送から溶接、組み立てまで幅広い工程に導入可能

デメリット

・直交ロボットなどに比べて機械剛性が低い
・高速で動かした場合にオーバーシュートや振動が発生しやすい
・軸数が多いため正確なティーチングを行う必要がある

水平多関節ロボット

【特徴】
基本構造として、1つの上下運動と3つの回転運動を持つ4軸構成タイプのロボットです。Selective Compliance Assembly Robot Arm(選択的柔軟性組み立てロボットアーム)の頭文字「SCARA」をとってスカラロボットと呼ばれます。水平方向の動きに特化したロボットのため、水平多関節ロボットとも呼ばれます。構造が単純で制御がしやすいこと、高精度、高速化がメリットです。

【用途】
水平方向に高速動作ができ、先端部分のZ軸は上下動作します。
プリント基板への部品実装など組立搬送が得意です。

水平多関節ロボット

メリット

・平面的な作業が得意
・構造が単純で制御がしやすい
・他の産業用ロボットと比べて低コスト
・高速化可能で精度も高い
(パラレルリンクロボットより高い精度要求には不向き)

デメリット

・垂直方向への動きは苦手なため3次元的な動作は不向き
・自由度の高い作業は難しい

協働ロボット

【特徴】
安全に停止できることを前提に設計されているため最高動作速度が遅く、可搬重量が小さいという特徴があります。さらに専門知識がなくてもティーチングができる機能として、アーム部を直接動かして動作を記憶させる「ダイレクトティーチング機能」もあります。
また、安全面確保のルールが設けられており、協働ロボットの動作範囲や設置場所、動作する時間などの制限、目に見えない”柵”(エリアセンサー)を設置し安全を確保することも定められています。

【用途】
組み付け、ねじ締め、ピッキング・整列・仕分け、梱包、検査などが得意です。

協働ロボット

メリット

・安全柵が不要であるため、狭いスペースに設置できたり、自由に移動させたりすることが可能
・専門知識がなくてもティーチング可能

デメリット

・最高動作速度が遅い
・重量物のハンドリングはできない

パラレルリンクロボット

【特徴】
パラレルリンクロボットは、リンクとジョイントで作られる連結連鎖が複数個並列(パラレル)に配置されたパラレルリンクメカニズムという構造をしています。機構がシンプル(モーター、ベアリング、アルミパイプ)であり、メンテナンスも比較的簡単です。多関節ロボットよりも構造が簡素なので低価格です。

【用途】
エンドエフェクタのある出力部を複数の機構で制御しているため、高速かつ精密な動作が可能で、比較的な軽量なパレタイズ、組立搬送に使用します。
さらに、カメラを備えた視覚装置と組み合わせると、コンベアー上にランダムに置かれた物体を正確にピッキングする仕分け作業が可能となります。

パラレルリンクロボット

メリット

・機構がシンプルなのでメンテナンスも比較的簡単
・軽量物のピックは精度、速度ともにトップクラス
・占領面積が小さい

デメリット

・重量物の搬送ができない
・用途の自由度が低く、汎用性が低い

直交ロボット

【特徴】
直交ロボットは、単軸直動ユニットを組み合わせたシンプルな構造をしています。
可動範囲は直線に限られ、旋回するような動きはできませんが、その分ブレが少なくなります。
ユニットは柔軟な組み合わせが可能であり、設計変更も容易なことが強み。
直交ロボットには複雑な制御がありません。そのため、誤作動が少なく人身事故も発生しにくいと言われています。

【用途】
直交ロボットは、低コストで多彩な用途に対応できます。そのため、産業ロボットの中でも比較的導入がしやすいという特徴があります。
小さな部品の組み立てや半導体の検査、薬品のピッキング、製品の搬送など幅広い業種で導入されさまざまな作業をこなします。また、重量物やサイズの大きい部品も搬送できます。

直交ロボット

メリット

・単軸直動ユニットの組み合わせのため低コスト
・ユニットは柔軟な組み合わせができ、ブレが少ない
・複雑な制御がなく誤作動が起こりにくい
・剛性が高く重量物やサイズの大きい部品も搬送可能

デメリット

・直線運動の組み合わせなので複雑な動きができない
・作業範囲に対して設置範囲が大きい

双腕ロボット

【特徴】
双腕ロボットとは、2本のアームがついている産業ロボットの総称を指します。
双腕ロボットの最大の特徴は、2本のアームで、より繊細かつ複雑な作業が小スペースで対応できることです。
垂直多関節ロボットと同様、リンク機構はリンクとジョイントで構成されており、先端のエンドエフェクタで物体を把握します。垂直多関節ロボットとの最大の相違は、人と共に働く「協働ロボット」と同じ条件で使用する場合が多く、より安全性を高めるため80W以下のモータを使用していることです。このため、重量物のハンドリングと高速化が難しいというデメリットがありますが、近年重作業も可能な双腕ロボットの開発が進められています。

【用途】
双腕ロボットは、「人と一緒に作業できる」「2本のアームにより高難度な作業を同時進行でこなせる」といった特徴を生かして、袋詰め、食品加工(弁当の盛付)、医療製品の製造(試薬の分注作業)など、さまざまな現場で使用されています。

双腕ロボット

メリット

・より人間に近い繊細かつ高難度な作業に対応可能
・小スペースで作業可能

デメリット

・安全性確保のため高速化できない

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