1.3.4 密着高さ
ばねの密着高さは、一般に次の略算式によって算出する。
ただし、圧縮ばねの密着高さは、一般には発注者は指定しない。

ここに、(t1+t2): コイル両端部のそれぞれの厚さの和
なお、両端部が図2の(b)、(c)、(e)及び(f)の圧縮ばねで、特に密着高さの指定を必要とするときは、次の式で求めた値を密着高さの最大値として指定するが、ばねの形状によっては、この値より大きくなることがあるので注意を要する。

ここに、dmax: dの許容差の最大値をとった直径
図-2 コイル端部形状

1.3.5 引張ばねの初張力
密着巻の冷間成形引張コイルばねには、初張力Piが生じる。
この場合の初張力は、次の式によって算出する。

なお、ピアノ線、硬鋼線などの鋼線で密着巻に成形し、低温焼なましを行っていない場合の初応力τiは、図3の斜線の範囲内とする。ただし、鋼線以外の材質及び低温焼なましの実施によっては、図3の斜線の範囲内から読み取った初応力の値を、次のとおり修正する。

(1) ステンレス鋼線の場合は、鋼線の初応力の15%減とする。
(2) 成形後に低温焼なましを実施する場合は、上記で求めた値に対し、ピアノ線、硬鋼線などの鋼線で20~35%減、ステンレス鋼線で15~25%減とする。
参 考 低温焼なまし前の初応力の値を図3から読み取る代わりに、次の経験式によって算出してもよい。

(1)ピアノ線及び硬鋼線の場合〔G=78×103N/mm2{8×103kgf/mm2}〕

(2)ステンレス鋼線の場合〔G=69×103N/mm2{7×103kgf/mm2}〕

1.3.6 サージング
サージングを避けるために、ばねの固有振動数は、ばねに作用する加振源のすべての振動と共振するのを避けるように選ばなければならない。
なお、ばねの固有振動数は、次の式によって算出する。

鋼のG=78×103N/mm2{8×103kgf/mm2}、
w=76.93×10−6 N/mm3{7.85×10−6kgf/mm3}とし、ばね両端が自由又は固定とした場合、ばねの1次の固有振動数は、次の式によって算出する。

1.3.7 その他考慮すべき事項
ばねの設計計算では、次に示す事項についても考慮しなければならない。
(1) ばね指数 ばね指数が小さくなると局部応力が過大となり、また、ばね指数が大きい場合及び小さい場合は加工性が問題となる。したがって、ばね指数は、熱間で成形する場合には4~15、冷間で成形する場合には4~22の範囲で選ぶのがよい。
(2) 縦横比 圧縮ばねの縦横比(自由高さとコイル平均径との比)は、有効巻数の確保のため0.8以上とし、更に、座屈を考慮して、一般的には0.8~4の範囲で選ぶのがよい。
(3) 有効巻数 有効巻数は、3未満ではばね特性が不安定になるので、3以上とするのがよい。
(4) ピッチ ピッチが0.5Dを超えると、一般的に、たわみ(荷重)の増加に伴いコイル径が変化するため、基本式から求めた、たわみ及びねじり応力の修正が必要となるので、0.5D以下とする。なお、一般にピッチの推定は、次の略算式による。
