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inCAD Library テーマ別特集 位置決め部品と使用事例

【位置決めとは…】

基準側となるものにワーク/治具などの移動を拘束し、位置関係を精度よく保つこと

一方
固定基準側となるもの…(位置決め治具など)
他方
固定基準側に位置決めされるもの…(ワークなど)
【拘束の方法】

<3方向拘束>:空間上の位置は3つの方向からなりますが、この3つの方向への移動を拘束する方法

  • 3面拘束 ⇒ 固定面で位置決め
  • 1面と2線 ⇒ 穴で位置決め
  • 2面と1点 ⇒ 調整点・面で位置決め

<2方向拘束>:丸物ワークや長尺ワークの位置決めの場合など、2つの方向の規制だけでも良い場合に使用

  • 2面 ⇒ 固定面で位置決め(肩当)、V溝で位置決め(Vキャッチ)
  • 2線 ⇒ V溝で位置決め(Vブロック)

1.固定面で位置決め

ワークを固定された面・点を使って位置決めする方法

(1)位置決め面:
位置を決めるためにワーク/治具を当てる面
(2)着座面:
ワーク/治具を載せる面
  • ※基準面:加工・組み立ての基準となる面で、ワークまたは治具の平面部分や穴、曲面などを基準面とする
設計上のポイント!
  • ・基準面は誤差の集積を避けるため、各工程を通して同じ基準面を一貫して使用する
  • ・着座面はごみ防止のために、小面積にすると良い(図1)
  • ・異物やごみ等を避ける構造にする(図2)
  • ・ワークへの傷や、位置決め面の磨耗を避ける材質にする(表1)
  • 図1.小面積の着座面(例)
  • 図2.逃げ溝構造(例)
  • 表1.材料選定のポイントと材料特性
    材料選定のポイント 材料特性
    1.強度が高い 引張り・圧縮強度、弾性係数など(変形しにくさ)、じん性、耐食性、耐磨耗性など
    2.加工性が良い 切削・研削加工性、溶接性、熱処理性、表面処理性など
    3.物理的材料特性 密度、熱伝導率、熱膨張率、誘電率など

使用事例

  1. 1. ピンで肩当:穴+ピンを使用することでプレートの段差加工に比べ、安価に基準面の作成が可能
  2. 2. 2面肩当:2面を肩当することで、ワーク設置の再現が可能
  3. 3. 1面肩当 2面ガイド:1面を肩当、2面をガイドし1面のみ再現が可能
  4. 4. 4面ガイド:4面をガイドしクリアランス内に部品を入れる

使用部品

【ワークガイドの選定において】
・材質は鉄系・アルミ合金・樹脂を備えていますので、対象のワークに合わせてお選びいただけます。
・耐摩耗性を考慮したい場合は、鉄系の焼入れもご選定いただけます。

  ストレート L字型 アングル 台座付 基盤用 プレート
 
特徴 基本形状
あらゆる場面に使用可能
1つの部品で2面抑えられる 長穴で位置調整可 台座にワークを乗せて位置決め可能 電子部品基盤に最適な形状・材質 長手ワークのガイドに使用可能
納期 焼入品以外 2日目出荷 焼入品 3日目出荷 ストーク利用可
精度 位置決め面:

安価ですが、長さ寸法はラフなのでノックピンの端部を位置決めにはご使用できません。

タイプ名 ストレート C面取り 高精度 片端タップ付 片端タップ付
(貫通穴)
片端タップ付
(公差選択 p6/m6)
タップ付テーパ
規格図
D寸公差 +0.005 ~ +0.010 +0~+0.002 +0.005~+0.010 p6 p6 / m6 +0 ~ +0.02
※圧入側の穴が貫通加工されていない場合は、圧入時のエアー抜きのためエアベント付をお選びください

ノックピンを挿入する穴加工は、一般的にH7で仕上げます。このため、ノックピンを中間ばめ、しまりばめで使用する場合は、プラス公差を選びます。すきまばめで使用する場合は、マイナス公差を選びます。

  ノックピン 汎用ピン
タイプ名 ストレート C面取り 片端タップ 片端タップ
エアベント付
ストレート 片端タップ
規格図
公差 h7 g6
※圧入側の穴が貫通加工されていない場合は、圧入時のエアー抜きのためエアベント付をお選びください