1,750万点、2,900メーカーの品揃え。1個から送料無料。18時までのご注文で最短当日出荷可能。

貴社向け業務支援

貴社向け担当者ご案内

FA用メカニカル部品 営業担当

月~土
8:00~20:00

技術相談窓口

FAメカニカル部品

0120-343-066
0570-034-355

webお問い合わせフォーム

【WOS】型番見積/注文

カテゴリ・メーカーから探す

カテゴリから探す
メカニカル部品
ねじ・ボルト・座金・ナット
工業用素材
配線部品
制御部品・電気部品
切削工具
生産加工用品
梱包・物流保管用品
安全保護・環境衛生・オフィス用品
研究開発・クリーンルーム用品
プレス金型部品
プラ型用部品
設計事例から探す
inCAD Library
メーカーから探す
取扱いメーカー一覧

Vol.07
2009年12月11日号
マーケティングセミナー

横田先生の世界金型産業講座
日本の職人技能は海外で育つか?

「職人技能とは」

前回の講座で今回の講座では「日本の職人技能は海外で育つか?」ついて説明すると約束しました。今、日本の高品質な金型は、高精度工作機械頼りの製造ではなく、むしろ非NC汎用研削盤に代表される“使い慣れた工作機械”を駆使した職人技能によって作り出されているのがほとんどです。確かに、最近のCNC高精度工作機械は展示会でのメーカーによる説明や、提供されるカタログ表示で見る限り誰でもその機械を使えば“1μm精度”で加工できるように思えます。しかしながら、その説明やカタログをもう一度よく聞いたり読んだりすると「加工送り精度が1μm以下」であるとか「位置決め精度が1μm以下」と言っているだけで「確実に1μm以下の精度で加工品が出来上がります」とは言っていません。メーカの提示する表示や説明は当り前のことで決して誤魔化しているわけではりません。例えば、マシニングセンタでの切削加工を“1μm精度”以下で行うには加工に伴って発生する「熱変形」や「応力歪」を1μm以下の単位で考慮して行うことは当然ですが、切削工具及びそれを把持するホールディングツールも又1μm以下の管理をする必要があります。しかし、実際にはそのような管理を行って自動加工を行うのは「不可能」です。たとえ出来たとしても、とても採算の合う加工にはなりません。従って1μm以下の精度の加工は、どんなに加工精度が高いマシニングセンタであろうとも自動的に行うことは出来ないと思わなければなりません。比較的デジタルデータ管理だけで加工精度を決められる切削作業でさえ、このように出来ない訳ですから、より不確定要素が多い研削加工や放電加工で出来るはずがありません。つまりミクロンオーダーの加工はどうしても「職人技能」が必要になります。

 

「職人技術の6要素」

それでは、果たして職人技能はどのような要素から成り立つものであるか考えてみましょう。通常、職人技は「職人の持つ感」によって成り立っています。人間の持っている“感”には「味覚」「触覚」「聴覚」「視覚」「嗅覚」の五感と加えて、長年の経験によって培われた体全体で感じる「第六感」があります。職人技はこのすべてを使うことで出来上がっているのです。例えば、研削作業の達人と言われる職人は「研削するときに出る音(聴覚)」「研削によって発生する火花(視覚)」「研削時に発生する様々な匂い(嗅覚)」「研削液の味(味覚…時々舐めてみる人もいます)」等で加工状態を監視するとともに、「加工した面を手で触った感触(触覚)」で完成したかどうかを見ることが出来ます。中には研削加工する前に機械に品物をセットしただけで「思ったような加工が出来るかどうか?」を判断できる(第六感を持った)人もいます。筆者も40年以上前の就職したてのころ、ある加工図面を持って職人さんに加工をお願いに行った時、その職人さんに「おい若いの!これはこの精度じゃ加工出来ないわ!書き直してこい!」と言われたことがあります。特に問題になる個所があった訳でもないので、職人さんの気まぐれで言われたと思い、書き直さないまま、後日こっそり別のラインにその品物の加工を流したところ、職人さんの言われた通りどうしても「加工精度」が出ず、結局設計の全面変更を余儀なくされたことがありました。その時要望した加工精度が出せなかった理由は、単純な理由ではなく幾つかの複合的な要素が重なったことに起因することが後日判明しましたが、職人は図面を一目見ただけでその複合する要素を“感”で判別し、「駄目だ!」と判断することが出来たのです。
それではそのような職人さん達はどのようにしたら育つのでしょうか?当り前のことですが、一人前の職人さんは一朝一夕で育つものではありません。長年の経験と努力によって育つものです。職人さんになるためには「素質」が必要かどうかを、職人さん達に聞いてみたことがありますが、職人さん達に異口同音に言われた答えは、「素質は必要ないよ!必要なことはその仕事を好きになることだ!」でした。つまり、その仕事が好きになれば誰でも職人になれるということになります。次に、職人になるための教育ですが、戦前は「職人になりたけりゃ名人の技を横で見て盗め!」と言われたそうです。然し、戦後は先輩職人さんが、一生懸命後輩に技術・技能を教えています。以前、戦前の職人さんに「昔は後輩に教えたくなかったのですか?」と聞いたところ「昔も職人は後輩に仕事を教えたくてしょうがなかった!但し教えられるほうがその気にならなければ教えたことが伝わらないことが分かっていたから“盗め”と言ったのだ!盗んだ技能は必ず身に着くからだ」との答えが返ってきました。基本的に日本の職人さん達は“喜んで”自分の技能を後輩に教える気質を持っています。それが日本の技能の伝承を守ってきたものと思います。 page up

「海外で日本の職人技能は育つか?」

さて本題の「海外で日本の職人技能は育つか?」について考えてみましょう。結論からいえば、ごく稀に特殊な例を除いて海外で、特にアジア地域では日本式の職人技を育てることは難しいと言わざるをえません。その理由は大きく三つの理由があります。

 

理由1:

一つ目は、アジア地域の製造業には「終身雇用制度」が根付いていないことです。日本は当然ながら「終身雇用制度」が常識です。一生同じ会社に勤めることが出来る保証があるからこそ、“じっくり”“時間をかけて”技能を習得することが出来るのです。「明日解雇されるかもしれない」と思ったら、技能を習得しても意味が無いので習得する意欲が生まれません。

 

理由2:

二つ目はアジア地域では「人に技能を教えたがらない」風潮があることです。これは「人に技能を教えれば、自分の仕事が取られてしまう」と思うことに起因します。後輩に仕事を教えても、自分の立場が不利になることを積極的に行うことが無いのは当然です。新人が先輩と同じ仕事が出来れば、企業としては「より安い賃金」の新人を選択するのも当たり前で、同じ仕事を任せるなら「安い賃金の新人を切るか?高い賃金が必要な先輩社員を切るか?」についての判断は経営者は絶対迷いません。これでは「後輩に技能を積極的に教える風土」は育ちません。

 

理由3:

三つ目はそもそも教える側の「熟練した技能職人」がいないことが挙げられます。特にアジア地域では、金型製造は始まったばかりです。中国やタイでも金型産業が確立し始めたのはこの十年ほどです。従って熟練技能者といえどもほとんどが経験10年以下しか持ち合わせていません。筆者も海外の金型企業家から良く「日本の退職した金型熟練者や技能者を紹介してください!」と言われます。それに対して筆者は常に「私の知り合いには残念ながら居ません!」と断り続けています。実際には日本に多くの退職技能者の知り合いはいますが、個人的には推薦したくありません。その理由は「折角日本から行った熟練技能者が自分の持っている技能を教えたとしても、少し覚えると直ぐにその会社を辞めて、より賃金の高い企業に行ってしまう」という、誠に空しい仕事になる可能性が高いからです。実際にアジア地域には何人か日本の熟練技能者が移住し、技能を教えている例もありますが、皆さん前述した同じ悩みを抱えていて「空しい!これなら日本で教える機会があれば日本で日本人に教えたい!」とおっしゃっています。

 

品質の高い製品を作るには優れた技能を持たなければならないことは間違いありません。然しながら、筆者はそれだけでは本当に良いものを作ることはできないと思っています。金型製造の世界の人ではありませんが「紬織」の名手であった宗弘力三伝統工芸士の言葉の中に「良い製品や良い作品を作るには作る人自身の人間性を高めなければならない。どんなに良い製品を作ろうとしても、その人の品性以上のものは出来ない」というものがあります。つまり優れた職人はその人間性も高いことが求められます。筆者も今まで、色々な優れた職人と言われる人にお会いしてきましたが、いずれも人間性の非常に高い方ばかりでした。野球の世界で活躍しているイチロー選手もある意味「職人さん」ですが、多分非常に人間性の高い人ではないかと思われます(実際にお会いしているわけではありませんが報道によるとそんな気がします)。

以上色々書いてきましたが結論からいえば「日本の職人技能は海外では育たない!」ということになります。言いかえれば日本の金型産業は今後「日本の持つ職人技能」を生かした金型製造を続けていくことが日本の金型産業の維持と発展につながるものと思っています。


横田悦二郎[ヨコタエツジロウ]先生のご紹介:

経歴/昭和43年黒田精工株式会社に入社後、平成17年4月に ファインクロダ株式会社代表取締役社長に就任。現在では、アジア金型工業会 名誉会長、日本金型工業会顧問や国際金型協会(ISTMA)、NPO法人「アジア金型産業フォーラム」副理事長などの要職をも務める。また、著書/連載記事として「世界に勝つモノづくり 金型ジャパンブランド宣言」や「本気でJAPANものづくり戦略」の執筆者としても著名。

ページトップへ戻る

WOS(Web Order System)

WOSのトップページはMISUMI-VONAに統合されました。

WOSでご利用になっていた機能は右赤枠内にございます。

WOSトップページ 閉じる
お役立ち情報サービス一覧
初めての方へ

当サイトのサービスは(学校・個人事業主様を含む)法人様専用となっております。

ミスミ進化中!